本研究では,幼児教育の質や幼児期と児童期の教育の円滑な接続に関する知見を得るため,子供の多様性にも配慮しながら,幼小接続期の教育の質を支える仕組みに関する研究を実施します。
具体的には,①幼小接続期の教育における幼児教育センターの役割・機能,②幼小接続に関する国際比較,③幼小接続期の子供の育ちと学びという三つの視点から検討します。
本研究では,3歳児から7歳児(小学校2年生)までの幼児・児童を対象とした質問紙調査や各種検査を縦断的に行い,社会情緒的スキルや認知的スキル,生活スキル等の発達やその影響について分析しました。
また,海外の幼児教育の質評価スケールを参考に,幼稚園教育要領等や園長・保育者の意見を反映するなどして,日本の幼児教育・保育の文脈に沿った質評価スケール案を検討・開発し,その活用方法などを示しました。
国際的にも重要な時期として注目されている幼小接続期(主に5歳児後半から1年生前半)を対象に,国内外の先行研究のレビューや幼小接続期カリキュラムの実態の分析,育ち・学びを支える力を捉える手法の検討を行いました。
また,幼児期の教育の質に焦点を当て,国内外の先行研究のレビューや海外における主要な評価指標の概説とその日本における活用可能性,更には日本の幼児教育に適した評価指標案の検討を行いました。
このうち,全国自治体から収集した幼小接続期カリキュラムについて分析した結果の一部を以下に紹介します。
» 幼小接続期カリキュラム全国自治体調査 (別のページへリンク)
就学前の家庭環境・教育環境がその後の成長・発達に与える影響を検証するための基礎資料として、全国のwebモニターを対象とした調査と、七つの自治体の保護者及び幼児教育施設・園を対象とした追跡調査を試行しました。試行調査で得られた縦断調査データに基づき、教育効果に関する定量的研究の蓄積を試みました。