幼児教育研究センターは,幼児教育政策への関心の高まりを背景として,幼児教育に関する効果的な研究活動を遂行するため,平成28年4月に新たに設置されました。本センターは,文部科学省をはじめとした関係省庁との連携の下で,幼児教育に関する国内の調査研究拠点としての役割を担っています。
① 幼児教育に関する調査研究の推進
幼児教育の質や効果に関する研究、OECD国際調査などを実施します。
② 研究ネットワークの構築
大学等内外の研究機関,OECD等の国際機関,地方公共団体,幼稚園等,幼児教育研究団体,民間研究機関との連携・協力を進めます。
③ 研究成果の普及
HPや公開シンポジウム等を通じて,地方公共団体や幼稚園関係者等に研究成果を発信します。
幼児教育研究センターは,文部科学省に置かれた 「幼児教育に関する調査研究拠点の整備に向けた検討会議」報告(平成28年3月)を踏まえ,幼児教育に関する国の調査研究拠点としての役割を果たすこととなっています。そのため,センターの業務内容は,同報告を踏まえたものとなっています。調査研究拠点の必要性やその使命・役割については,同報告で以下のような内容が挙げられています。
上席フェロー 無藤 隆 (白梅学園大学 名誉教授)
乳幼児の教育について国として研究センターを設けることは幼児教育の実践者・研究者の悲願でした。日本の文脈において本当のところ,どういった幼児教育施設が有効なのかを実証的に検討する必要があります。その質を定量化し,保育者の働きかけのプロセスや園環境の在り方がどのように子供の成長を助けることになるか。やるべきことは多々あります。国民の期待に応えて,有用で優れた研究を行う場としてほしいと願います。
上席フェロー 秋田 喜代美(学習院大学 文学部 教育学科 教授)
日本に初めての幼稚園が創設されて140年目の年に,国に幼児教育研究センターが誕生したことは画期的なことです。日本は,自治体独自のカリキュラム開発や質の高い園事例を有してきました。それらを集約共有し,各自治体の幼児教育センターと連携するなどの強みを生かし,国際機関,大学,団体の,乳幼児の保育教育に関わるセンターや機構との連携を通してプラットフォーム機能を担うこと,そして保育教育のさらなる質向上のため,エビデンスベースの教育政策研究を行う場となることを期待しています。
上席フェロー 神長 美津子(大阪総合保育大学 特任教授)
国内外の幼児教育の実践や調査研究の成果,さらには自治体の取組が,国立教育政策研究所幼児教育研究センターに集まり,幼児教育の質保証につながる政策立案に必要な情報の提供ができる機関となることを期待しています。このため,幼児教育にかかる行政機関や研究機関,団体,教員養成大学等とつながり,幼児教育の質向上のネットワーク拠点として,幼児教育の過去・現在・未来を見据えた情報の収集と発信が求められます。
フェロー 内田 千春(東洋大学福祉社会デザイン学部子ども支援学科 教授)
フェロー 門田 理世(西南学院大学人間科学部児童教育学科 教授)
フェロー 津金 美智子(名古屋学芸大学ヒューマンケア学部 学部長・教授)
フェロー 荒牧 美佐⼦(こども家庭庁成育局保育政策課・成育基盤企画課 教育・保育専⾨官・保育指導専⾨官)
内田 千春 (東洋大学福祉社会デザイン学部 教授)
岸野 麻衣 (福井大学大学院 福井大学・岐阜聖徳学園大学・富山国際大学連合教職開発研究科(連合教職大学院) 教授)
北野 幸子 (神戸大学大学院人間発達環境学研究科 教授)
久保山 茂樹 (独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 上席総括研究員)
古賀 松香 (京都教育大学教育学部 教授)
齊藤 多江子 (日本体育大学児童スポーツ教育学部 教授)
津金 美智子 (名古屋学芸大学ヒューマンケア学部 学部長・教授)
松井 愛奈 (甲南女子大学人間科学部 教授)
松嵜 洋子 (明治学院大学心理学部 教授)
飯野 祐樹 (兵庫教育大学人間発達教育専攻 准教授)
池田 充裕 (山梨県立大学人間福祉学部 教授)
児玉 奈々 (滋賀大学教育学部 教授)
⼤神 優⼦ (和洋⼥⼦⼤学⼈⽂学部 教授)
⾦重 利典 (⼤阪総合保育⼤学児童保育学部 講師)
⾼橋 雄介 (京都⼤学⼤学院教育学研究科 准教授)
登藤 直弥 (東京都⽴⼤学社会⼈⽂学部 准教授)