Tuning Japan National Centre 国立教育政策研究所は、国際チューニング・アカデミーの依頼を受けて、日本のチューニング情報拠点としての役割を担っています。 NIER
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国立教育政策研究所におけるチューニングの取組

 

Tuningテスト問題バンク−機械工学分野(公開サイト)

 
図1. Tuningテスト問題バンクの取組

国立教育政策研究所では、OECD-AHELOフィージビリティ・スタディの成果と課題を踏まえて、「Tuningテスト問題バンク」の取組を構想し、平成26年度より「機械工学分野」でモデル事業を展開しています。「Tuningテスト問題バンク−機械工学分野」では、
  • 会員制サイトの中でテスト問題を共有します。
  • 本取組の趣旨に賛同された大学関係者には、会員として登録していただき、テスト問題の作成、実施と採点、採点結果の報告・テスト問題の改善に御協力いただきます。そうすることで、大学教育のアウトカムに関する共通理解を広く醸成していくことを目指します。
    • 会員から御報告いただいた採点結果に基づいて、事務局からフィードバックを行います。そうすることで、教育改善に資する学習成果アセスメントの在り方について議論を喚起し、実績を蓄積していくことを目指します。

  • こうした取組を通して、妥当性と信頼性が検証されたテスト問題を十分に蓄積できた時点で、テスト問題の一斉実施も目指します。

テスト問題作成の進捗状況

作成年度 記述式問題 多肢選択式問題
平成26年度 6問 45問
平成27年度 4問 19問
平成28年度 2問 28問
平成29年度    

Tuningテスト問題バンクの活動

委員名簿 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 令和元年度
委員名簿(拠点)   平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 令和元年度
運営委員会 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成30年度 令和元年度
運営規則
会員規約

工学分野におけるコンピテンス枠組み

 工学分野では、技術者の国境を越えた移動が活発化する中で、技術者に求められる力量、そしてその基盤となる技術者教育の質の国際的同調性を確保することを目指す動きが、1980年代末ごろから顕在化してきました。例えば、技術者教育の質的同等性を国境を越えて相互に承認し合う協定、いわゆるワシントン・アコードがアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランドの6か国を代表する技術者教育認定団体による調印によって1989年に発足し、日本技術者教育認定協会(JABEE)(1999年発足)も2005年から加盟しています。このことによって、JABEE認定プログラムを卒業した学生は、他の協定国の認定プログラムの卒業生と同等の資格を認められ、協定国において技術者として活動しやすくなりました。
 同様に欧州では、欧州技術者教育適確認定ネットワーク(ENAEE)が認証する7つの団体(ドイツ、フランス、イギリス、アイルランド、ポルトガル、ロシア、トルコ、ルーマニア、イタリアを代表するアクレディテーション団体)が適格認定を行うEUR-ACE制度が2004年に発足し、欧州高等教育圏内の技術者教育プログラムの質保証を行っています。

 工学分野におけるこれらの実績を踏まえて、経済協力開発機構による高等教育における学習成果調査(OECD-AHELO)フィージビリティ・スタディでは、二つの枠組みの基準の共通点を抽出する形で、チューニングの手法を援用しながら、「Tuning-AHELO工学分野におけるコンピテンス枠組み」が定義されました(表1参照)。

表1.Tuning-AHELO工学分野におけるコンピテンス枠組み(既存枠組みとの関係)

 なお、OECD-AHELOフィージビリティ・スタディでは、Tuning-AHELO工学分野におけるコンピテンス枠組みの5つのコンピテンス領域を、図5の通り概念化しています。すなわち、「工学的分析」「工学デザイン」「工学実践」の下位コンピテンスから構成される「工学プロセス」のコンピテンスは、「工学基礎・工学専門」及び「工学ジェネリックスキル」のコンピテンスに下支えされる「高次」のコンピテンスと想定しています。そして、「工学基礎・工学専門」の学習成果は主に多肢選択式問題、「工学プロセス」「工学ジェネリックスキル」の学習成果は主に記述式問題で測定することを目指しています。 OECD-AHELOフィージビリティ・スタディのテスト問題の一部は、AHELOフィージビリティ・スタディ報告書(OECD,2012)に公表されています。


図2.Tuning-AHELO工学分野におけるコンピテンス


機械工学分野のコンピテンス枠組み

 Tuningテスト問題バンクでは、OECD-AHELOフィージビリティ・スタディで作成された「Tuning-AHELO工学分野におけるコンピテンス枠組み」のうち、特に「機械工学分野」の枠組みを採用し、 日本の機械工学分野の教育内容の区分を踏まえつつ、テスト問題を作成しています。


テスト問題作成の手順(概要)

 テスト問題バンク研究会では、テスト問題作成ワーキンググループが中心となって、問題作成に取り組んでいます。
 テスト問題は、多肢選択式問題と記述式問題の両方から構成されます。
 多肢選択式問題では、「工学基礎・工学専門」コンピテンスを中心に、基礎的な知識・能力の習得を問います。日本の機械工学分野の教育内容の区分に基づいて、偏りが生じないように配慮しながら問題を作成しています。



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