コラム〜教育図書館所蔵資料から(3) 目次
学制・太政官布告第214号(被仰出書)
学制序文
【太政官布告第214号(被仰出書)*1】
 明治5年に発布された我が国最初の近代学校制度に関する法令。同8月2日に「太政官布告第214号(被仰出書/学制布告書)」とともに「学制」が公布され,翌3日,全国に頒布されました。
 学制序文ともいわれる被仰出書では,新しく全国に学校を設立する主旨と学校で学ぶ学問の意義が説かれ,全国民を対象とする学校制度であることを強調しています。この学制によって,全国に学校が設けられ,近代学校が成立発展していくこととなりました。
 学区制などの制度の大綱はフランスを模範に,教育内容の上ではアメリカ合衆国の影響が見られるなど諸外国の教育制度を参考に作成されました。
 学制は109章からなり,「大中小学区ノ事」「学校ノ事」「教員ノ事」「生徒及試業ノ事」「海外留学生規則ノ事」「学費ノ事」の6項目を規定しています。
 しかし,学校設立経費の負担や西洋教育を模倣した教育内容など全国画一的な学制の実施に対する批判などが高まったことにより,明治12年に教育令が公布され,学制は廃止されました。
 なお,文部省頒布の「学制」(*2)は被仰出書と学制(文部省布達第13号・第14号)合わせたものですが,当館では,被仰出書だけを1枚に印刷したもの(*1)も所蔵しています(印刷された時期は不明です)。

太政官布告第214号(被仰出書/学制布告書)
(だじょうかんふこくだい214ごう おおせいだされしょ/がくせいふこくしょ)
 [1872.7] 44.8×70.5cm
学制(がくせい) 文部省(1872.7) 【貴373.2||308】
学制 学制
【学制*2】表紙・目次
※各画像はクリックすると拡大します。
【参考文献】
  • 学制百年史
  • 日本近代教育史事典
  • 湯川嘉津美「学制布告書の再検討」(日本教育史研究 (32), 1-23, 2013-08)
  • 【2016.11作成】