スタディ・ビジット・プログラム
国立教育研究所では昨年度からの試みとして、アジア・太平洋地域各国の教育研究者を招聘し、日本の教育に関する研修とあわせて情報の交換・共有を行うことを目的として、「アジア・太平洋地域教育研究所研究員のためのスタディ・ビジット・プログラム−NIER study visit programme for the staff of educational research institutes in Asia and the Pacific」を主催している。
昨年度は2回のスタディ・ビジット・プログラムが行われ、5カ国から13名の教育研究者が参加した。本年度は以下の日程で2回のスタディ・ビジット・プログラムが行われ、韓国から2名、中国から4名の教育研究者が参加した。
@ 平成11年2月22日(月)〜3月2日(火)−韓国
ホー・ジョンム(Dr. Hurh, Jeong-Moo) 韓国又石大学教授
リー・フンジョン(Mr. Lee, Huen-Jeong) 韓国地域社会教育協議会主任幹事
A 平成11年3月1日(月)〜13日(土)−中国
孫国孝(Mr. Sun Guo-xiao) 河北省興隆県教育局局長
劉海明(Mr. Liu Hai-ming) 河北省興隆県教育局副局長
狄鳳清(Mr. Di Feng-qing) 河北省興隆県教育局副主任
李英淑(Ms. Li Ying-shu)北京師範大学外事弁公室員
韓国から参加された2名はいずれも社会教育に関心を持ち、スタディ・ビジット・プログラム滞在中、東京学芸大学、筑波大学、国立社会教育研修所、韓国民族学校などを訪問し、日本の社会教育の現状や課題についてレクチャーを受け、また積極的に情報交換を行った。
中国から参加した4名は、日本の初等・中等教育に強い関心を寄せており、滞在中幼稚園・保育園、小・中・高等学校あわせて13校を訪問視察したほか、児童館、博物館、資料館などの教育施設や教育委員会なども訪問し、情報の収集や交流を精力的に行った。
いずれのスタディ・ビジット・プログラムも2週間程度の短い期間ではあったが、参加者からは「非常に内容の濃い、充実したプログラムであった」との賛辞を頂戴するとともに、今後も継続的に国立教育研究所との研究交流を続けたいとの希望が寄せられた。
今回のスタディ・ビジット・プログラムを実施するにあたって所内外、関係機関、特に参加者の訪問を快く引き受けてくださった学校、機関の皆様のご協力に改めて感謝の意を表する。また、両スタディ・ビジット・プログラムの実施にあたって、国立教育研究所国際研究・協力部研究協力者金泰勲、同アジア教育研究室主任研究官(現国際教育協力室長)鐙屋真理子両氏に過大なるご尽力をいただいた、両氏にもここで改めて感謝する。
(国際研究・協力部主任研究官 沼野太郎)