「国立教育研究所広報第110号」(平成9年9月発行)
アジア・太平洋地域教育協力事業
アジア・太平洋地域教育研究所長会議
国立教育研究所は、ユネスコの「アジア・太平洋地域教育開発計画(APEID:アペイド)」に対する協力事業の一環として、平成9年7月7日から15日まで、「アジア・太平洋地域教育研究所長会議(APEID Regional Meeting of Directors of Educational Research and Development Institutes in Asia and the Pacific)」を開催した。
今回の会議の目的は、1)アジア・太平洋地域諸国の教師及び教師教育に関する研究の優先課題を明らかにすると共に、それらを国際的な枠組みの中に位置づけ、2)各国の研究所が進めている教師及び教師教育に関する教育研究活動の優先課題を概観し、3)本会議のテーマに関する共同研究や共同出版、研究成果の普及を含む、各国研究機関に共通した研究関心領域や協力の方法を模索し、4)アペイド事業の一環として、各国教育研究所間の協力を推進するために現在の枠組みをさらに発展させる可能性を探る、の4点であった。
会議には、オーストラリア、中国、南太平洋大学(フィジー)、インドネシア、イラン、ラオス、マレーシア、ニュージーランド、パプア・ニューギニア、韓国、スリランカ、タイ、ベトナムから各1名、並びに日本から3名、ユネスコ・バンコク事務所から2名、さらにフィリピンからのオブザーバー1名を含め、合計21名が参加した。日本からは、本研究所から菱村幸彦所長、牧昌見次長および教育経営研究部教職研究室木岡一明室長が参加した。
会議では、各国の教師及び教師教育に関する研究の課題に関する各参加者からの報告、ならびに各国の研究所が進めている教師及び教師教育に関する教育研究活動の報告が行われた後、参加者はグループに分かれ、将来の教師及び教師教育に関する研究の優先課題について、教育研究と政策決定の関連、地域内諸国間での協力の可能性、今後の活動方針等についての討議を行った。
今回の会議の成果は、英文報告書Teachers, Teacher Education and Development として平成9年8月に刊行された。
なお、会議期間中の平成9年7月8日に、ユネスコ−国立教育研究所アジア・太平洋地域教育協力事業30周年記念式典が、国立教育研究所主催、財団法人教育研究振興会の協賛のもとに国際文化会館において開催され、会議の参加者にも列席していただくことができた。この場をかりて、上記記念式典関係者、ならびに会議にご協力いただいた所内外の方々に厚くお礼申し上げたい。
(文責:国際研究・協力部主任研究官 沼野太郎)
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