- 趣旨
- 新任の博物館長に対し,博物館の管理・運営,サービスに関する専門知識や,博物館を取り巻く社会の動向などについて研修を行い,博物館運営の責任者としての力量を高める。
- 平成29年度テーマ
- 「人をつつみこむ博物館 〜地域に寄り添い愛される博物館へ〜」
- 主催
- 文部科学省
国立教育政策研究所 (社会教育実践研究センター)
- 協力
- 公益財団法人日本博物館協会
- 実施期間
- 平成29年10月4日(水)〜10月6日(金)---3日間
- 対象
- 都道府県・指定都市教育委員会及び関係独立行政法人等が推薦する次の者
- 主として登録博物館,博物館相当施設又は博物館類似施設の館長・副館長に就任し2年未満の者
- 上記(1)と同等の職務を行うと主催者が認めた者
- 定員
- 50名
- 会場
- 国立教育政策研究所社会教育実践研究センター
- 〒 110-0007 東京都台東区上野公園12-43
- TEL 03-3823-8420 FAX 03-3823-3008
※詳しくは実施要項PDFファイルをご覧ください
※プリントアウトされる方はプログラムPDFファイルをご利用ください。
平成29年10月4日(水)|1日目
時間 |
内容 |
10:30-11:00 |
受付 |
11:00-11:45 |
開講式・オリエンテーション
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11:45-12:45 |
行政説明博物館関連施策の動向
- 文部科学省生涯学習政策局社会教育課
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12:45-14:00 |
休憩 |
14:00-15:30 |
特別講義
人をつつみこむ博物館
- 若林 覚(
63KB)
- 練馬区立美術館前館長/サントリー美術館元副館長・支配人
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15:30-15:45 |
休憩 |
15:45-17:15 |
交流プログラムグループ協議
- 社会教育実践研究センター専門調査員
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17:45-19:30 |
情報交換会 |
平成29年10月5日(木)|2日目
時間 |
内容 |
9:30-11:00 |
講義 博物館における経営戦略
- 赤尾 建藏
- 竹中大工道具館 館長
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11:00-11:15 |
休憩 |
11:15-12:45 |
講義
地域密着型の博物館
- 山内 宏泰(
51KB)
- リアス・アーク美術館主幹兼学芸係長
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12:45-14:00 |
休憩 |
14:00-15:30 |
講義 博物館における教育
- 山本 哲也(
33KB)
- 新潟県立歴史博物館専門研究員
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15:30-15:45 |
休憩 |
15:45-17:15 |
施策説明・事例研究
観光と博物館
- 〈 施策説明 〉
観光庁観光資源課
- 〈 事例研究 〉
田中 裕二
- 東京都江戸東京博物館係長事務代理 学芸員
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平成29年10月6日(金)|3日目
時間 |
内容 |
9:30-12:45 |
シンポジウム人をつつみこむ博物館 〜地域に寄り添い愛される博物館へ〜
- 〈 コーディネーター 〉
半田 昌之
- 公益財団法人日本博物館協会専務理事
- 〈 登壇者 〉
黒澤 浩( 161KB)
- 南山大学人文学部人類文化学科教授
- 竹内 有理(
54KB)
- 長崎歴史文化博物館学芸グループリーダー
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12:45-13:15 |
閉講式 |
14:20- |
特別プログラム
上野動物園施設見学(希望者のみ)
- 14:20 集合 上野動物園
- 14:40〜「上野動物園について」解説
- 15:10〜自由見学(解散)
- ※希望者のみを対象とするプログラムです。費用はかかりません。
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[備考]10月6 日(金)14:20 からの「特別プログラム」は,希望される方のみを対象として,閉講式後に実施します。希望される方は,受講申込書に御記入ください。
研修を受講するにあたり,博物館とは無縁のところから副館長に就任した私にとって,どのような研修なのだろうかと不安がありました。
しかしながら実際研修に参加してみると,様々な館の色々な課題や問題点,そしてそれをいかに克服してきたか,
あるいは博物館の果たすべき役割等いずれも有意義な内容ばかりで,あっという間の研修期間でした。
グループ協議では,全く関連性のない4つの館による合同の企画展の検討が課題でしたが,関連がないと思っていた館でも視点を変え縦横斜め,
色々な角度から見ることにより共通事項が浮かび上がり,無事企画展の構想をまとめることができました。色々な角度から物事を見つめる重要性にあらためて気づかされた思いです。
今後は,研修で得た知識を生かし,「人をつつみこむ博物館」を目標に一つ一つ具現化していきたいと思います。
物流博物館 副館長
木村 正雄
新任館長として初めて博物館に勤務すること半年,過去の経験が役に立たず戸惑うことも多く,自信がもてずに時間ばかりが過ぎて少々焦っていたところでの館長研修受講でした。
現館長や元館長さんの講義では具体的な取組の参考になることも多かったのですが,それよりも館長としての在り方,博物館運営の考え方等を御教示くださり,
自分の行くべき道が明確になった心地がしました。また,グループワークでは全く分野の違う博物館との合同企画という難題を与えられ,
自分の頭の固さに辟易しながらもメンバーの適切なコーディネートに助けられ,時間内にまとめられたのは,苦しくもあり楽しい作業でした。新米館長ですが,
この研修で学んだことや受講生のネットワークを支えに,頑張っていこうと思います。
愛媛県総合科学博物館 館長
上城戸 裕子
博物館は地域社会に何を貢献できるのか,また何をなすべきなのか。館長であれ,学芸員であれ,地域状況に直面する個々の理念に基づく様々な事業展開があり,
博物館の設置目的や地域課題を再認識する必要性を強く感じさせられました。
交流プログラム「グループ協議」では何とか4館の連携企画を創出し,まさに「無から有を生み出す」企画ではありましたが,個々の特長を抽出し,関連付けを協議する経験となりました。
博物館展示や普及活動の全ては,利用者の「視座」を最重要視すべきこと,教育的観点から発せられるべきものであり,かつ,
それらが受容されているかを検証しながら活動内容を進化させてこそ,地域住民に親しまれ,求められる博物館となりうると確信しました。
仙台市富沢遺跡保存館 館長
金森 安孝
本研修では,全体テーマ「人をつつみこむ博物館」に基づいた特別講演,交流プログラム,博物館運営に係る講義,観光施策・事例研究,シンポジウムなど盛りだくさんの内容で,
かつ,様々な館の実例を学ぶことができ,今後のギャラリー運営の参考とすべき点が多々ありました。
また,4館合同展の企画という課題に取り組んだ交流プログラムでは,一見,共通項はなさそうな性格の異なる館であっても,軸となるテーマを柔軟に発想すれば,展示を組み立てられることを実感しました。
この研修で学んだことを活かし,地域に密着した生涯教育の場として当ギャラリーでは何ができるのか,何をなしていくべきなのか,改めて考えていきたいと思います。
肥後の里山ギャラリー 館長
小堀 俊夫
今回の博物館長研修は,「人をつつみこむ博物館〜地域に寄り添い愛される博物館へ〜」というテーマで,どちらかというと地方の比較的規模の大きな博物館を対象としている感がありました。
地方大学の小規模な資料館の副館長として受講している者としては,やや場違いな感がありましたが,様々な博物館での情熱的な取組を知ることができ大変勉強になりました。
ただし,学芸員が自分の生活をどこまで犠牲にして良いのか,少し考えさせられる部分もありました。大学では博物館学芸員課程の授業を担当しており,
今回の研修会で講義の内容の大きなヒントを得られたと思いますので,是非若い学生に伝えていきたいと思います。このような貴重な機会を与えてくださいました,国立教育政策研究所の皆様に改めて御礼申し上げます。
金沢大学資料館 副館長
河合 望