研究・事業の概要
教育政策・評価研究部は、これまでの教育政策の歴史的展開とこれからの展望を踏まえ、教育政策の立案、実施又は評価の基礎となる実証的な調査研究を進めています。近年は主に、初等中等教育の学校体系に関する研究、地方教育行政の多様性・専門性に関する研究、客観的根拠を重視した教育政策の推進に関する基礎的研究、教育分野の公務労働に関する調査研究等に取り組んでいます。
プロジェクト研究
「教育分野の公務労働に関する調査研究」
| 研究代表者 | 渡邊恵子 |
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| 研究期間 | 令和4年度~令和6年度【進行中のプロジェクト】 |
| 研究概要 | 本研究では、学校教員だけでなく、より広く教育分野の公務労働に着目し、今後更に働き方改革を進めていく際に必要な知見について考察することを目的として、以下の調査研究に取り組みます。 学校教員、教育委員会事務局職員、文部科学省職員を対象に、その働き方と働き方に影響を与え得る要因(例:労働時間、動機付け、職場の状況、ICT活用状況、仕事の満足度)などを調査し、それらの間の関係を検討するほか、好事例と思われる職場の特長を探ります。 また、海外(イギリス、カナダ、スウェーデン、韓国、ドイツなど)で学校教員の労働環境の改善に関する調査等を活用している事例について調査します。 |
「客観的根拠を重視した教育政策の推進に関する基礎的研究」
| 研究代表者 | 渡邊恵子 |
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| 研究期間 | 令和元年度~3年度 |
| 研究概要 | 教育政策におけるEBPM(Evidence-Based Policy Making)の推進に当たって直面する、現実的な観点からの課題の解決に資する基礎的な知見を提供するため、複数の視点から調査研究を行いました。 その結果、例えば、イギリスにおいて具体的な教育施策に着目すると、統計データだけでなく学校関係者のインタビュー等もエビデンスとして扱われ、検証や政策形成が行われていることが分かりました。 また、日本については、市区町村教育委員会が教育施策評価に用いている評価指標を析出したほか、平成 28 年度から始まった大学等の入学定員厳格化前後で若年層の大都市圏への移動がどのように抑制されたのかを、地域別、大学規模別に明らかにしました。さらに、文部科学省の「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」の対象校での調査の結果、探究学習で生徒にとって身近なテーマに取り組むほど、生徒の認識や態度の向上につながることなどの示唆を得ました。 |
「地方教育行政の多様性・専門性に関する研究」
| 研究代表者 | 渡邊恵子 |
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| 研究期間 | 平成28年度~平成30年度 |
| 研究概要 | 2015(平成27)年度の新教育委員会制度への移行や、地方分権改革、地方創生、人口減少社会への対応など、地方自治体の教育行政に影響を与えうる施策が相次いで実施されています。本研究は、このような状況を踏まえ、新教育委員会制度や地方分権改革の効果・影響を検証することなどにより、今後の地方自治体における教育施策の立案等に資する基礎的な知見を得ることを目的として実施し、成果を以下の5冊の報告書にまとめました。 報告書1「新教育委員会制度下の教育政策の総合調整」 2015(平成27)年度からの新教育委員会制度の下で、各都道府県が地域の状況等に応じ、総合教育会議の運営や大綱の策定に多様に取り組んでいる動態を明らかにしました。 報告書2「地方教育行政の組織と機能に関する国際比較研究」 諸外国(教委制度を持たない国を含む)を対象に、地方教育行政の組織と機能を比較し、いずれの国においても、特に政治的中立性が求められる教職員の人事や教科書採択等については特定の党派的勢力の介入を抑制するための仕組みが見られることを明らかにしました。 報告書3「市町村の教育施策としての小中一貫教育に関する研究」 2016(平成28)年度から制度化された小中一貫教育の導入状況に着目し、導入市町村における取組状況などをまとめました。 報告書4「県費負担教職員制度運用の多様性に関する調査研究」 市町村合併や教育事務所の再編・統合が進む中で、都道府県における県費負担教職員の広域人事異動の実態がどのように変容したかを分析するとともに、近年一部の道府県で広がりを見せている地域限定採用の現状を示しました。 報告書5「地方創生と教育行政」 地方教育行政において取り組まれている地方創生関連施策について、義務教育段階(コミュニティ・スクール)、高等学校段階(高等学校の再編整備や設置者変更による存続の取組)、高等教育段階(公設民営大学の公立大学法人化)に焦点を当て、その具体的な取組の一端を明らかにしました。 |
「初等中等教育の学校体系に関する研究」
| 研究代表者 | 渡邊恵子 |
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| 研究期間 | 平成26年度~平成27年度 |
| 研究概要 | 教育再生実行会議の第五次提言(平成26年7月)において 、「新しい時代にふさわしい学制を構築する」という方向性の下、具体的な施策として幼児教育の段階的無償化や小中一貫教育学校(仮称)の制度化などが提言されるとともに、国は引き続き新たな学校段階の区切りの在り方について検討を行うこととされました。これを受けて、中央教育審議会が同年12月に小中一貫教育の制度化の在り方を答申としてまとめ、文部科学省は幼児教育の段階的無償化の実現を図りました。 本研究は、①小中・中高一貫教育に関する先行事例の成果と課題の検証、②諸外国における就学前教育の無償化制度や中等教育段階の学制改革の分析、③学制改革に関する提言が政策形成に与えた影響の分析、という三つの柱を立て、喫緊の政策課題となった学制改革を議論する際の基礎資料の提供を行うとともに、より中長期的な学制改革議論にも資する知見の探究を行うことを目的として研究を進め、その成果をまとめました。 |
研究成果
研究者紹介