令和6年度 教育改革国際シンポジウムの開催結果について(概要)

「未来に向けた学校施設づくり ー学校施設全体に子供や教職員の多様な活動の場をどう構築するかー」をテーマに、令和7年1月29日(水)に対面及び同時オンライン配信により開催しました。
約600名の方が参加し、各講演者による講演、パネルディスカッション、質疑応答が行われました。
シンポジウムの動画や講演資料はこちらに掲載しております。是非、御覧ください。

プログラム

時間 内容
13:30〜13:35 開会挨拶
池田 貴城 国立教育政策研究所長
13:35〜13:40 来賓挨拶
小原ベルファリゆり
経済協力開発機構(OECD)事務局 教育・スキル局 就学前・学校教育課長
13:40〜13:50 趣旨説明
深堀 直人 国立教育政策研究所 文教施設研究センター長
13:50〜14:15 講演1(アイルランド)
アイルランドの学校施設部門と共創環境

テファン・マシューズ アイルランド教育省 予算・プログラム管理支援ユニット テクニカルマネージャー

ギャビン・アーノルド  同 シニアアーキテクト

ハーコート・テラス・スクール(ダブリン)
革新的な学習環境を備えた新しい都市型小学校−設計コンペのコンセプトから完成した学校の利用まで−

トニー・シェパード 建築家

14:15〜14:40 講演2(韓国)
未来の教育のための学校空間の再構築事例(学校空間の革新と学校の複合化を中心に)

イ・サンミン 韓国教育開発院 教育施設・環境研究センター長

14:40〜15:05 講演3(ニュージーランド)
ニュージーランドにおける安全・快適でコストエフェクティブな学習空間に向けた取組

レネル・グロナート ニュージーランド教育省 学校設計ディレクター

アニービエタバシ・アックリー 同 研究・建物性能主任アドバイザー

ローレン・スミス 同 戦略的資産管理担当マネージャー

15:05〜15:30 講演4(日本)
ウェルビーイングの観点から学校施設を見つめ直す−新しい学びを生み出す空間、支える場−

長澤 悟 東洋大学 名誉教授/教育環境研究所 所長/国立教育政策研究所 客員研究員

休憩
16:00〜17:20 パネルディスカッション
各国における学習空間や教職員スペースのあり方

パネリスト :各発表者
モデレーター :深堀 直人 国立教育政策研究所 文教施設研究センター長

17:20〜17:30 閉会挨拶
高田 潤一 国立大学法人東京科学大学 執行役副学長(国際担当)

概要

講演1(アイルランド)

ステファン・マシューズ(アイルランド教育省予算・プログラム管理支援ユニット テクニカルマネージャー)
ギャビン・アーノルド(同 学校施設設計指針・設計手順部門 シニアアーキテクト)
トニー・シェパード(建築家)

「アイルランドの学校施設部門と共創環境」と題して、ステファン氏及びギャビン氏からは、アイルランドにおける学校施設整備に関する教育省の役割や体制について説明があり、最近のプロジェクトを紹介しながら、学校の中核となり、生徒の交流を促したり、フレキシブルな利用を可能としたりする多目的スペースの事例や、最新の環境対策などについて紹介がありました。

ステファン・マシューズ氏 写真
ステファン・マシューズ 氏
ギャビン・アーノルド氏 写真
ギャビン・アーノルド 氏
アイルランドの学校施設部門と共創環境

次にトニー氏からは、「革新的な学習環境を備えた新しい都市型小学校−設計コンペのコンセプトから完成した学校の利用まで−」と題して、首都ダブリンにある歴史ある学校施設を、改修や増築により、革新的な学習環境を備えた新しい都市型小学校に再生したプロジェクトを紹介しながら、インフォーマルな学習スペースを教室の外にも作っているなどの特徴の紹介がありました。

トニー・シェパード氏 写真
トニー・シェパード 氏
標準的な小学校の教室と革新的なクラスベースとの比較

講演2(韓国)

イ・サンミン(韓国教育開発院 教育施設・環境研究センター長)

「未来の教育のための学校空間の再構築事例(学校空間の革新と学校の複合化を中心に)」と題して、韓国の教育省が現在取り組んでいる、学校空間の再構築政策(2024〜2028年の5年間)に関し、当該政策の中核的な事業として、築40年以上の老朽化した学校施設の再構築事業と、地域と連携する学校複合施設の活性化事業の2つの事業について、最近の事例を用いて紹介がありました。

イ・サンミン氏 写真
イ・サンミン 氏
未来の教育のための学校空間の再構築事例

講演3(ニュージーランド)

レネル・グロナート(ニュージーランド教育省 学校設計ディレクター)
アニービエタバシ・アックリー(同 研究・建物性能主任アドバイザー)
ローレン・スミス(同 戦略的資産管理担当マネージャー)

「ニュージーランドにおける安全・快適でコストエフェクティブな学習空間に向けた取組」と題して、レネル・グロナート氏からは、ニュージーランドにおける学校財産戦略2030や設計基準に関する紹介があり、アニービエタバシ・アックリー氏からは、ニュージーランドにおける新型コロナに関する換気研究からの知見等について紹介があり、最後にローレン・スミス氏から、ニュージーランドにおける学校施設に関する維持保全、財産管理に関する基本的な考え方について紹介がありました。

ニュージーランドにおける安全・快適でコストエフェクティブな学習空間に向けた取組
レネル・グロナート氏 写真
レネル・グロナート 氏
アニービエタバシ・アックリー氏 写真
アニービエタバシ・アックリー 氏
ローレン・スミス氏 写真
ローレン・スミス 氏

講演4(日本)

長澤 悟(東洋大学 名誉教授/教育環境研究所 所長/国立教育政策研究所 客員研究員)

「ウェルビーイングの観点から学校施設を見つめ直す−新しい学びを生み出す空間、支える場−」と題して、日本の学校施設が目指している学校施設の在り方に関し、「コモン」と「ウェルビーイング」の2つのキーワードから新しい学びを生み出す空間やそれを支える場を捉え直した考え方について、近年の整備事例や各国との比較も交えつつ、紹介がありました。

長澤 悟氏 写真
長澤 悟 氏
ウェルビーイングの観点から学校施設を見つめ直す

パネルディスカッション

パネリスト :各発表者
モデレーター:深堀直人 国立教育政策研究所 文教施設研究センター長

「各国における学習空間や教職員スペースのあり方」をテーマに、第1部での発表を踏まえ、共通するいくつかのテーマについて横断的に議論を深めました。具体的には、前半では子供たちの学習空間に焦点を当て、

  • コロナ禍を経た現在における、学校施設に集って学ぶことに対する再評価
  • 教室内にとどまらず時にオープンスペース等に学習活動が拡大していることの背景やデザイン上の留意点
  • 学校施設を学習の場としてだけでなく生活の場としても捉えてデザインを向上させている背景

などを取り上げ、各国から意見を伺いました。
そして、会場からの質疑応答も交えて、最後に全体を通じて総括しました。