指導方法の工夫改善による教育効果に関する比較調査研究

−校長、教員及び児童生徒を通してみる少人数指導の特質と
その教育効果について(第一次報告書)−

はしがき

目次

本報告書は、第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画(平成13年度〜17年度)により、平成13年度に少人数授業を行うなどきめ細かな指導をするために全国的に配置された教員(5140人)と、それらの教員が所属する小学校・中学校の校長及び実際に少人数指導を経験した児童生徒を対象に行った少人数指導の特質とその教育効果に関する質問紙調査の結果を報告するものである。

それぞれに関する調査結果の詳細は序章以下の各章における検討に譲ることにし、ここでは、それら調査結果の主な結果を一覧することにしたい。

<調査結果の概要

本報告書は、第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画(平成13年度〜17年度)により、平成13年度に少人数授業を行うなどきめ細かな指導をするために全国的に配置された教員(5140人)と、それらの教員が所属する小学校・中学校の校長及び実際に少人数指導を経験した児童生徒を対象に行った少人数指導の特質とその教育効果に関する質問紙調査の結果を報告するものである。

それぞれに関する調査結果の詳細は序章以下の各章における検討に譲ることにし、ここでは、それら調査結果の主な結果を一覧することにしたい。

第T章の校長調査の主な結果
 小学校では1874校(1874名)ならびに中学校では2166校(2166名)の回答を得た校長質問紙の結果として次のことが明らかになった。

1 少人数担当教員数とその決定要因

(1)小人数担当教員の数に関しては、少人数担当教員が1名となっている学校が一番多い(小学校75.5%、中学校59.3%)。全体的に見ても、1名もしくは2名の学校が小学校96.2%、中学校で93.1%となっており、ほとんどを占めている。

(2)学級規模と少人数担当教員数の関係を見ると、小学校では「30−34人学級」「2  4−29人学級」への配置が中心的であり、中学校では「35−40人学級」「30−34人学級」への配置が中心的になっていることがわかる。また、中学校の方が、学級規模の大きい学校への配置が行われていることがわかる。

(3)少人数担当教員の決定の要因を全体的に見ると、小学校では「教職経験の豊富さ」 が中学校では「得意教科」がそれぞれ第一要因に挙げられている。これは、学級担任制と教科担任制の違いを反映したのものであると思われる。第三番目までの要因のな  かで共通して「担任外教員」がある程度挙がっている。


2 少人数担当教員の担当教科とその決定理由

(1)実施されている教科として、小学校では算数科が圧倒的に多く、中学校では数学、英語が多くなっている。

(2)少人数指導の実施教科決定の理由では、教科に渡って理由を傾向を探ると、小学校では「個人差が顕著になる教科だから」が54.18%、次いで「学校の研究テーマとの関連」13.00%となっているのに対して、中学校では「個人差が顕著になる教科だから」49.95%、次いで「当該教科の指定」17.49%、そして「その教科の教員が意欲的・積極的であるから」・「本人の経験年数・指導力を考慮して」の約10%となっている。


3 少人数指導実施学年とその決定理由

(1)少人数指導の実施学年としては、小学校では第三学年、中学校では第一学年が多い。

(2)実施学年の決定の理由としては、小学校・中学校ともに学年に渡って、個人差が顕著になる学年であるから」と「児童生徒の発達的特質を考慮したため」が多い。


4 少人数指導のための学習集団の編成、指導方法及び指導形態に関する意見と方針

(1)校長の学習集団の編成についての意見と方針については、第一番目の回答の集計と、第三番目までの累計の集計を見ると、少人数指導として行われているものが実は「イ.同人数の2つの学習集団」、「ウ.習熟・興味関心等による同人数の学習集団の編成」  「ア.学級集団のまま」が多く、その他の学習集団の編成があまり行われていないという問題点があることがわかる。

(2)校長の指導方法に関する意見と方針については、指導方法の全体的な傾向としては、第一には小学校では「一人で指導する」と「複数の教師によるTTで行う」が半々、中学校では「一人で指導する」が多いが、数は少ないが第二番目として挙げられるときには「複数の教師によるTTで行う」が挙げられることがわかる

(3)校長の指導形態に関する意見と方針については、小学校・中学校を通じて「ウ.習熟度別学習」「ア.一斉的指導」が多く、少人数指導における指導形態に関する工夫が乏しいという問題点が明らかになった。


5 学習指導に関わる少人数指導の効果に対する認識

 少人数指導の全体的な効果に関する認識では、全体的に見ると、小学校と中学校ともに少人数指導の効果が肯定的に認識されていること、特に、個に応じた指導に関連した項目が高く評価されている一方、時間・資源的な余裕に関してはあまり効果が認められていないことがわかる。


6 学習指導面及び生徒指導面における少人数指導の児童生徒への影響に対する認識

(1)少人数指導の学習指導に対する影響の認識では、小学校、中学校を全体的に見ると、少人数指導が児童生徒に喜ばれていることがわかる。その一方で、目標に達しない児童生徒が少なくなることについては高く評価されているものの「よく感じる」とは評価できないと見られていることが問題点として指摘できる。

(2)少人数指導の生徒指導に対する影響の認識では、小学校と中学校を通じて、生徒指導面の影響に関して、いずれにおいても肯定的に評価されているものの、「よく感じる」の割合が低いことに見られるように、その影響に関してはそれほど強くないと認識されているようである。


7 少人数指導による保護者への影響に対する認識

 少人数指導の保護者に対する影響の認識では、小学校と中学校を通じて、全体的には少人数指導の保護者に対する影響を肯定的に認識していることがわかる。特に、保護者が少人数指導を歓迎しているという点は、数十年前の能力別クラス編成のときと異なる傾向である。


8 校長の集団の編成に関する意見
 校長の集団の編成についての意見では、頻繁なクラス分けとどの学年でも実施することに関しては、小学校では賛成と反対が同等、中学校では否定的な結果となった。また、少人数指導などの実施教科に関しては、すべての教科において実施していくことには小中ともに否定的であるが、現在の教科だけに限らないようである。さらに、集団に関しては小中ともに学級集団だけには不満を持つが、学習集団だけではあまり十分ではないと考えているようである。最後に30人以下の学級規模ならは少人数指導は必要ないという考えについては、小中ともにやや否定的な結果となった。


第U章の教員調査の主な結果
第U章における小学校及び中学校教員調査の結果、以下のことが明らかになった。

1 少人数指導担当教員の特質として

(1)性別では、小学校は女性が多く、中学校は男性が多い。

(2)年齢は、小学校は41歳から50歳に集中し、中学校は36歳から45歳に集中しており、中学校の方がやや若くなっている。

(3)教職経験年数は、小学校では21〜30年がもっとも多く、中学校では11〜20年がもっとも多く、中学校の方が比較的に浅くなっている。

(4)現任校在職年数は、小・中学校ともに、赴任して3年以内の教員がもっとも多い。

(5)担当教科と週当たり担当時間数に関しては、

@小学校では、算数、国語、理科の順に少人数担当が多く、中でも算数が頭抜けて多い。また、いずれの教科とも週9時間以下がもっとも多くなっているが、算数では、10〜14時間、15〜19時間という比較的長い回答も相対的に多く、その分専門的な扱いがうかがえる。

A中学校では、数学、英語、理科の順に担当が多く、中でも数学が頭抜けて多い。
また、いずれの教科とも、週9時間以下がもっとも多いものの、15〜19時間も相対的に多く、専門的な扱いがうかがえる。


2 担当教科及び担当学年の特質として

(1)小・中学校ともに、1個学年がもっとも多いが、2個学年担当も多くなっている。

(2)担当学年では、
@小学校では、算数は4・5学年、国語は1〜6学年、理科は5・6学年というケースが多い。
A中学校では、数学、英語、理科ともに1〜3学年にほぼ均等に分かれている。

(3)担当教科の1学級平均は、小学校の算数、国語、理科、中学校の数学、英語、理科ともに、1学級平均が36〜40人がもっとも多く、次いで31〜35人というように、多いクラスを担当している。


3 少人数指導の実施方法

(1)学習集団の編成に関して、
@小学校の、担当の多かった算数、国語、理科についていえば、3教科ともア〜キのすべての学習集団の編成がみられ、指導単元に応じて柔軟かつ多様な学習集団の編成がうかがえる。中でも、3教科とも「ア.学級集団のまま」がもっとも多いが、算数と国語では、「イ.学級内を同人数程度の2つの学習集団に編成する」と「オ.学級を解体し、同人数程度の複数の学習集団に編成する」ケースも比較的に多くみ   られる。
学年別にみると、1〜6学年を通じて学習集団アが多いが、中でも1学年はその比率が相対的に高く、他学年は学習集団イ、オが相対的に高くなっている。

A中学校においても、小学校と同様に、数学、英語、理科の3教科ともア〜キのすべての学習集団の編成がみられ、指導単元に応じて柔軟かつ多様な学習集団の編成がうかがえる。中でも、数学と理科では「ア」と「イ」の併用が、英語ではむしろ「イ」 の方が「ア」よりも多く採用されている。小学校と異なり、3教科とも「オ」の採用は少い。
学年別では、1〜3学年を通じて学習集団アとイがともに多い。

(2)指導方法に関して、
@小学校では、算数と国語においては、「ア.一人で指導する」と「イ.少人数担当を含む複数の教師でTTを行う」を併用するが、理科では「イ」が圧倒的に多い。
学年別では、1〜6学年を通じて指導方法イが多いが、中でも1・2学年ではその比率が高く、その分3〜6学年ではアが相対的に多い。

A中学校では、どちらかといえば数学と英語では「ア」の方が、理科では「イ」の方が多い。
学年別では、1〜3学年を通じて指導方法アが多いが、その比率は1学年で高く、その分2・3学年ではイが相対的に高くなっている。

(3)指導形態に関して、
@既述の学習集団の編成と同様に、小学校の算数、国語、理科ともに、ア〜クのすべての指導形態の採用がみられ、指導単元に応じて柔軟かつ多様な指導形態の運用がうかがえる。中でも、算数では「ア.一斉的指導」と「イ.主・副分担による一斉的指導」及び「ウ.習熟度別学習」の併用がみられる。一方、国語では「ア」、理科では「イ」の採用が多いが、ともに「ウ」は稀となっている。
学年別では1学年では指導形態イが多く、2〜6学年では指導形態アが多い。

A中学校においても、3教科とも、小学校におけると同様に、ア〜クのすべての指導形態の採用がみられ、指導単元に応じて柔軟かつ多様な指導形態の運用がうかがえる。中でも、数学と英語では「ア」が多いものの、「イ」と「ウ」の採用もかなり多い。一方、理科では「ア」と「イ」が同率で多いが、「ウ」は稀となっている。
 学年別では、1〜3学年を通じて指導形態アが多い。


4 学習指導に関わる少人数指導の効果

(1)小・中学校の3教科において、概して効果的な項目としては、
  @「児童生徒に行き届いた指導ができるようになった」(小・中)
  A「習熟の程度に応じた指導ができるようになった」(小・中)
  B「興味・関心に応じた指導ができるようになった」(小・中)
  C「体験的な学習や問題解決的な学習ができるようになった」(小・中)
  E「児童生徒の姿がよく見えるようになった」(小・中)
  F「評価の取り組みが容易になった」(小)
  G「余裕教室、オープン・スペース、パソコンなど施設・設備を使用するようになった」(小)
  H「協力して教材研究や指導計画の作成をするようになった」(小・中)

(2)逆に、少人数指導によってもたいして変化のない項目としては、@小学校では、該当なし。但し、A中学校では、項目10「教材の準備や資料の管理に余裕ができるようになった」があげられる。


5 学習指導面及び生徒指導面における少人数指導の児童生徒への影響

<学習指導面>
学習指導面として設けた(1)〜(10)のすべての項目が、小・中学校の3教科において、概して効果的な項目としておさえられている。逆転項目たる(3)も、同様に、少人数指導によってそのようなことはないと効果的に受け止められている。
このため、少人数指導によってもたいして変化のない項目はない。

<生徒指導面>
@小・中学校の3教科において、概して効果的な項目としては、
(11)「担任以外の教員ともつながりが深めってきた」(小・中)
(13)「友達の意見をよく聞いたり、話し合いや相談に積極的に取り組むようになった」(小)
(16)「学校に楽しさ、親しみを感じるようになった」(小)
A逆に、少人数指導によってもたいして変化のない項目としては、小学校では該当項目はみられないが、中学校では、以下の2項目がみられる。
(14)「学級内の友達関係がよくなった」(中)
(15)「友達関係が他の学級の児童生徒にもひろがるようになった」(中)


6 少人数指導による保護者への影響


(1)小・中学校の3教科において、概して効果的な項目としては、
  B「少人数指導を歓迎している」(小・中)
  C「子供が授業が楽しくなったという保護者が増えた」(小)
  D「子供が授業がよく分かるようになったという保護者が増えた」(小)
  G「少人数指導に戸惑いや不安を感じている(ことはない)」(小・中)

(2)逆に、少人数指導によってもたいして変化のない項目としては、小学校では該当項 目はみられないが、中学校では、以下の4項目がみられる。
  @「授業参観への出席者が多くなった」(中)
  A「担任以外の教員にも相談するようになった」(中)
  E「子供が学校が楽しくなったという保護者が増えた」(中)
  F「PTAの会合等で少人数指導の話題が多くなった」(中)


7 少人数指導による児童生徒の把握の実態

(1)小・中学校の3教科において、概して効果的な項目としては、以下の4項目がみられるが、とりわけ中学校にその傾向がより強くみられる。
  @「全員の児童生徒の名前を覚えること」(小・中)
  A「一人一人の児童生徒の交友関係の把握」(小・中)
  C「一人一人の児童生徒の理解度やつまづきの把握」(小・中)
  D「一人一人の児童生徒のものの考え方、見方の把握」(小・中)

(2)逆に、少人数指導によっても苦労する度合いが高いとする項目は、小・中学校の3教科ともにみられない。


8 少人数指導による児童生徒の生活指導の実態

小学校の3教科においては設けた(2)〜(8)のほとんどの項目において、中学校 の3教科ではすべての項目において、少人数指導による効果がみられる。


9 担当教科の指導において、「学級」集団と「学習」集団とを分けることへの賛否

(1)小学校の算数では「賛成」が圧倒的に多い。国語では「賛成」と「どちらともいえない」に二分されている。理科では、「賛成」が「どちらともいえない」よりもやや多い。
(2)中学校の数学と英語では「賛成」が多く、次いで「どちらともいえない」となっている。理科では「賛成」と「どちらともいえない」に二分されている。

第V章の教員調査の主な結果
第V章では、少人数指導を受けた児童生徒が、少人数指導に対してどのような意識・態度をもっているかを把握するために実施した質問紙調査(「学習に関する調査票」<参考資料3を参照>)の主な結果について報告する。


1 少人数指導の好き・嫌い

【学年間比較】
 少人数指導による学習について、どの教科においても「とても好き」と「どちらかといえば、好き」の合計の回答率が、70〜80%に及んでおり、児童生徒は少人数指導が好きであると回答しており、少人数指導は、児童生徒に受け入れられていると判断できようか。
「とても好き」の学年別の平均回答率は、小2が50%、小4が30%、小6が16%、中2が15%で、小2が最も高く、学年が進行するにつれて減少している。低学年ほど、少人数指導が「とても好き」と回答している傾向がみられる。

【教科間比較】
 「とても好き」の回答率は、小2では「国語」の方が「算数」より、小4、小6では「算数」の方が「国語」より、やや高い傾向が、中2では三つの教科において、ほぼ同程度である。「とても好き」の回答率は、教科間に一貫した差異のある傾向は認められないと言えよう。


2 少人数指導への興味・関心・意欲

【学年間比較】
 少人数指導に対してポジィティブな興味・関心・意欲を捉えている項目1(勉強時間がくるのが待ちどおしかった)、2(もっと知りたいと思った)、3(友達や家の人に話した)、7(宿題や調べごとを忘れずにした)の4項目の「よくあった」の上記4項目の平均回答率は、「算数・数学」では、小2が33%、小4が25%、小6が17%、中2が10%となる。「国語」では、小2が34%、小4が23%、小6が16%、「理科」では、小4が27%、小6が16%、中2が10%である。どの教科においても、小2が最も高く、学年が進行するに次第に減少していく傾向にある。
 少人数指導に対してネガティブな側面を捉えている項目4(勉強の準備ができていなかった)、5(わすれ物をした)、6(おしゃべりや手あそびをした)の3項目の「よくあった」の平均回答率は、「算数・数学」では、小2が11%、小4が12%、小6が14%、中2が12%、「国語」では、小2が12%、小4が14%、小6が16%、「理科」では、小4、小6、中2いずれも14%である。どの教科においても、「よくあった」の回答率は学年間の差異は概して少ない。

【教科間比較】
 少人数指導に対してポジィティブな興味・関心・意欲を捉えている項目1、2、3、7の4項目の教科毎の「よくあった」の平均回答率は、小2の「算数」が33%、「国語」が34%、小4の「算数」が25%、「国語」が23%、「理科」が27%、小6の「算数」が17%、「国語」と「理科」が共に16%、中2の「数学」と「理科」が共に10%、「英語」が11%である。 どの学年においても、各教科の「よくあった」の回答率の差異は少ない。
少人数指導に対してネガティブな側面を捉えている項目4、5、6の3項目の「よくあった」の平均回答率は、小2の「算数」が11%、「国語」が12%、小4の「算数」が12%、「国語」と「理科」が共に14%、小6の「算数」と「理科」が共に14%、「国語」が16%、中2の「数学」と「英語」が共に12%、「理科」が14%である。どの学年においても、各教科における「よくあった」の回答率は、ほぼ同程度である。


3 少人数指導による学習の促進条件

【学年間比較】
少人数指導による学習の促進条件としてポジィティブな条件と思われる項目8(自分にあった勉強ができる)、9(勉強の進み具合がちょうどよい)、12(教室がひろいと感じた)の3項目の「よくあった」の平均回答率は、「算数・数学」においては、小2が36%、小4が30%、小6が25%、中2が21%、「国語」では、小2が37%、小4が27%、小6が20%、「理科」では、小4が26%、小6が20%、中2が17%である。どの教科においても小2が最も高く、学年が進行するにつれて、減少していく傾向がみられる。
 ネガティブな条件と思われる、項目10(先生の声が聞き取りにくかった)、11(黒板の字が読みづらかった)の2項目の平均回答率を算出すると、「算数・数学」においては、小2が7%、小4が5%、小6が7%、中2が6%、「国語」では、小2が6%、小4が5%、小6が6%、「理科」では、小4が6%、小6が6%、中2が9%である。どの教科においても、学年間の差異は少ない。

【教科間比較】
 少人数指導による学習の促進条件としてポジィティブな条件と思われる項目8、9、12の3項目の「よくあった」の平均回答率は、小2では、「算数」が36%、「国語」が37%、小4では、「算数」が30%、「国語」が27%、「理科」が26%、小6では、「算数」が25%、「国語」、「理科」が共に20%、中2では、「数学」が21%、「理科」が17%、「英語」が18%である。小6で「算数」が、「国語」、「理科」よりやや高い傾向があるが、他の学年では、どの教科間においても、この平均回答率の概して差異は少ない。
ネガティブな条件と思われる、項目10、11の2項目の「よくあった」の平均回答率は、小2では、「算数」が7%、「国語」が6%、小4では、「算数」と「国語」が共に5%、「理科」が6%、小6では、「算数」が7%、「国語」と「理科」が共に6%、中2では、「数学」が6%、「理科」が9%、「英語」が8%である。どの教科においても、ほぼ同程度の回答率である。


4 少人数指導による個別学習の機会

【学年間比較】
各項目の「よくあった」の学年別の平均回答率の最も高いのは、小2、小4、小6では項目6(ノートやプリントを見てもらった)で、それぞれ順に59%、46%、36%、中2では、項目5(相談したり、話し合ったりした)で、27%である。次いで回答率の高いのは、小2、小4、中2では、項目10(集中して勉強できた)で、それぞれ順に49%、38%、24%、小6では項目5で30%である。3番目にこの回答率の高いのは、どの学年においても項目9(話が落ち着いて聞けた)で、順に、48%、36%、28%、24%である。
「よくあった」の回答率に学年間に差異はみられているものの、少人数指導による個別学習の機会として、どの学年の児童生徒も、ノートやプリントを見てもらった、集中して勉強できた、話が落ち着いて聞けた、相談したり、話し合ったりしたことを、相対的に多く体験している傾向にある。

【教科間比較】
各学年の教科別の10項目の「よくあった」の平均回答率は、小2の「算数」が35%、「国語」が33%、小4の「算数」が28%、「国語」が26%、「理科」が24%、小6の「算数」が23%、「国語」が20%、「理科」が18%、中2は「理科」が14%で「数学」と「英語」が共に19%である。中2の「理科」が「数学」、「英語」と比較してやや低いが、その他の学年の教科間の平均回答率の差異はそれ程大きくなく、ほぼ同程度であると言えよう。


5 少人数集団編成に対する評価

(1)学習について
【学年間比較】
 最頻値選択肢は、小2、小4、小6では、少人数による学習とクラスでの勉強の両方があってよいで、それぞれ順に38%、40%、43%で、学年間の差異は少なく、ほぼ同程度の回答率と言えよう。中2では、少人数による学習の方がよいで42%である。

【教科間比較】
少人数による学習の方がよいの回答率は、小2では、教科間(国語と算数)に差異はない。小4、小6では、「算数」でのこの回答率が他の2教科より高い傾向が認められる。中2の回答率は、、「理科」が他の2教科よりやや低い傾向が認められる。

(2)給食や学級会活動について
【学年間比較】
 最頻値選択肢は、どの学年も、勉強のときだけ少人数で、給食や学級会活動については、みんな同じクラスがよいで、小2が35%、小4が41%、小6が44%、中2が42%である。
【教科間比較】
最頻値選択肢の勉強のときだけ少人数がよいの回答率は、小2では、「国語」と「算数」は、ほぼ同程度である。小4、小6、中2においては、「算数」が「理科」よりこの回答率が高く、概して、「理科」が他の教科よりこの回答率がやや低い傾向にある。

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