日本語教育支援システム研究会(CASTEL/J)ニューズレター No.7
発行日:1998年9月30日
1事務局:財国際文化フォーラム CASTEL/J事務局
(〒163-0726 新宿区西新宿2-7-1 新宿第一生命26F
TEL:03-5322-5211, FAX:03-5322-5215, E-MAIL:saka@nier.go.jp)
2研究/技術的な問い合わせ先:国立教育研究所 坂谷内 勝
(〒153-8681 東京都目黒区下目黒 6-5-22
TEL:03-5721-5093, FAX:03-3714-0986, E-MAIL:saka@nier.go.jp)
日本語教育支援システム研究会では,日本語教育に役立つと思われる各種データとデータベースを収
録した“CASTEL/J CD-ROM”を配布しております。このたび,前回のニューズレター(No.6:1998年11
月10日発行)に引き続き,ニューズレター No.7 を発行し,CASTEL/Jに関する連絡事項等をお知らせい
たします。
(1)訃報
去る6月6日,本研究会会長でいらした徳川宗賢先生(学習院大学教授,68歳)が心筋梗塞のため急
逝されました。本研究会会員一同,改めて慎んで先生の御冥福をお祈り申し上げます。
徳川先生は,CASTEL/Jデータベースに収録する際の著作権者への使用許諾に多大な御尽力をいただき
ました。また,研究発表会等の場で,CASTEL/Jに関する研究や本研究会活動に対して建設的な御助言,
御指導をしていただきました。
特に,今回開催した「第2回日本語教育とコンピュータ国際会議」の準備に当たりましては,資金集
め,プログラム立案構成,人選などで有形無形の御支援をいただきました。また御多忙な夏のスケジュ
ールを押して,トロント大学での会議に御出席いただけるということで,5月22日に麗沢大学で開かれ
た日本語教育学会のあとで,トロントへの御旅行の具体的なお話をつめたところでした。
本研究会事務局では,徳川先生の告別式式場に「日本語教育支援システム研究会」の名称で供花(花
籠入りの生花2基)を捧げましたので,ここに御報告いたします。
(2)国際会議報告
1999年8月22日(日)から25日(水)までカナダのトロント大学サンフォード・フレミング・ビルデ
ィングをメイン会場に,第2回「日本語教育とコンピュータ」国際会議(CASTEL/J '99: The Second
International Conference on Computer Assisted System for TEaching & Learning /Japanese)が開
催されました。参加者数 131名(カナダから39名,アメリカから39名(ハワイ,グアムを含む),ヨー
ロッパから6名(イタリア,フランス,イギリス,クロアチア),オセアニアから1名,アジアから46
名(日本,韓国,台湾)で,世界10か国から日本語教育関係者が集い,基調講演3件,一般研究発表29
件の発表が行われました。
8月22日(日)はプレカンファレンスとしてパネルディスカッション「日本語マルチメディア教材の
現状と課題−21世紀のDigital Coursewareに向けて−」(議長:シュテファン・カイザー氏)が行われ
ました。パネリストによる発表のうち「コンピュータと教育の可能性と課題」(赤堀侃司氏)では,マ
ルチメディアを用いた語学教育ソフトの可能性として,学習課題によっては映像の働きが大きく作用す
ること,映像の魅力が学習に好影響を与えることが指摘されました。「ビデオリソースとコンピュータ
利用教育」(氏家研一氏)では,ビデオ教材にコンピュータを用いた練習用ソフトの開発の過程が詳し
く紹介されました。「サーバ・クライアント・コンピューティングのすすめ」(山元啓史氏)では,筑
波大学における漢字教育で,カリキュラムの中にどのように漢字練習ソフトを導入し,実践しているか
が,教材の内容とともに報告されました。後半は,CASTEL/Jのデータベースおよび本会議で発表される
研究で開発されたいくつかのソフトについてデモンストレーションが行われました。
8月23日(月曜日)は午前10時に受け付けが始まり,1時に開会しました。開会にあたりトロント大
学から Adel Sedra (Vice-President and Provost), Wendy L. Rolph (Acting Dean, Faculty of Arts
& Science), Richard W. L. Guisso, Chair, Department of East Asian Studies, Faculty of Arts &
Science)の3氏の御挨拶,そして原聡(トロント総領事),松原直通(国際交流基金トロント日本文化
センター所長)の2氏の御挨拶をいただきました。開会式の最後に,本研究会の吉岡亮衛氏によって,
日本語教育学会の水谷修会長からの祝辞の披露と,この6月に急逝された前CASTEL/J会長の徳川宗賢先
生への黙祷がささげられました。
引き続き3件の基調講演が行われ,「日本語教育用CALLソフトの開発・普及と今後目指すべき方向:
ワシントン大学の事例」(筒井通雄氏)では,ワシントン大学で開発を進めている会話練習用ソフトの
紹介を通して,技術者と教育者の協力,汎用性を考慮したソフトの作成などの必要性が指摘されました
。「E-Lective Language Leraning:A New Direction in Computer-Supported Language Learning 」(
ジム・カミンズ氏)ではオンライン辞書を利用した読解練習ソフトの有効性について言語習得理論の枠
組みから議論されました。「CASTEL/Jデータベースの頒布と著作権」(及川昭文氏)では言語教育のた
めに書物,映像などを学習素材として電子化するにあたって,その著作権をどのように守るべきかが述
べられました。後半は研究発表の第1セッションとして6件の発表が行われました。
夕刻,日本語国際基金トロント日本文化センター主催によるレセプション(ワイン&チーズ)が開催
されました。
8月24日(火曜日)は,午前中に研究発表の第2セッション5件と第3セッション5件,昼食をはさ
んで,午後に第4セッション5件と第5セッション4件の発表が行われました。この後,本研究会の臨
時総会を開催しました。そして,会場をアカデミック・テクノロジー・センターに移して,展示および
演示の形式でソフトのデモンストレーションが行われました。このデモンストレーションでは発表者か
ら9件,アカデミック・テクノロジー・センターが開発した種々の言語教育支援ソフトのデモが5件あ
りました。夜,懇親会(バーベキュー・すしパーティー)がニュー・カレッジの食堂で行われました。
最終日8月25日(水曜日)は研究発表の第6セッションとして4件の発表と,今後の活動についての
意見交換が行われました。そして,今後のネットワーク作りのまとめ役としてワシントン大学の筒井通
雄氏が,また次回第3回「日本語教育とコンピュータ」国際会議の開催地としてカリフォルニア大学サ
ンディエゴ校が,責任者として當作靖彦氏が推薦されました。そして,本会議実行委員長の中島和子氏
の閉会の挨拶,参加者したすべての人々への感謝をもって4日間の会議の幕を閉じました。
当日午後には日本語研究室のあるニューカレッジに場所を移し,畑佐一味氏によるホームページのワ
ークショップと,本研究会によるCASTEL/Jデータベースの利用方法のワークショップが同時に開かれま
した。最終日午後であるにもかかわらず多くの方々が参加し,午後4時をすぎて散会となりました。
本会議のプロシーディングを希望する方は,このニューズレターの最後(本研究会からの配布物)を
御覧下さい。
(3)臨時総会の報告
日本語教育支援システム研究会臨時総会を,下記のとおり開催いたしましたので御報告いたします。
1日時 1999年8月24日(火) 16:40 〜 17:00
2場所 Rm.1105, Faculty of Applied Science/Engineering(SF),
5 St. George Street, Toronto, CANADA. (CASTEL/J'99 国際会議会場)
3出席者 本研究会会員約50名(全会員の約1/4)
オブザーバー約50名(会員でない国際会議参加者)
4議題 ・会長の決定
・その他
(4)水谷修先生を本研究会会長に選出
本研究会副会長である及川昭文先生の進行により,上記臨時総会が開催され,本研究会の会長選出と
事業報告を行いました。この総会で,水谷修先生が本研究会会長に選出されましたので,御報告いたし
ます。
なお,副会長には及川昭文先生(総合研究大学院大学教授),事務局長には中野佳代子さん(財国際
文化フォーラム事務局次長)が,これまで通り会長より委嘱されましたので併せて御報告いたします。
水谷 修(みずたに おさむ)先生の略歴
1956年名古屋大学教育学部卒業後,国際基督教大学語学科助手(1956年4月)をはじめとして,
千葉大学講師,スタンフォード大学日本研究センター語学主任,アメリカ・カナダ十二大学連合日本
研究センター副所長,国立国語研究所日本語教育研究室長,同研修室長,名古屋大学総合言語セン
ター教授,国立国語研究所所長を経て,1998年4月より名古屋外国語大学国際コミュニケーション
研究科教授・国際コミュニケーション研究所長
(5)「電子ジャーナル/掲示板プロジェクト(仮称)」発足
トロントでの国際会議最終日の全体会議において,日本語教育へのコンピュータ利用を主題とした電
子ジャーナルの刊行,そして,同主題に関わるプロジェクト梗概等を掲載する電子掲示板の構築につい
て議論しました。その結果,これらの早期実現のために,「電子ジャーナル/掲示板プロジェクト運営
委員会」(仮称)を発足させることが提案,可決されました。
現委員は,筒井通雄(委員長,ワシントン大学),中島和子(トロント大学),畑佐一味(パーデュ
ー大学),及川昭文(総合研究大学院大学),シュテファン・カイザー(筑波大学),山元啓史(筑波
大学),坂谷内勝(国立教育研究所)の7名(順不同)です。
(6)CASTEL/J CD-ROM の開発状況報告
現在,CASTEL/J CD-ROM (黄ラベル)が残り僅かとなり,新たに 100枚のCD-ROMを増版することにい
たしました。そして,この機会に現在配布しているCD-ROM(黄ラベル)のバージョンアップを行ってお
ります。
新しいCD-ROMが完成したとき,会員各位にそのことをお知らせするとともに,現在お持ちのCD-ROMと
無償交換いたします。次回の新しいCD-ROMの配布時期は,2000年3月末日を予定しております。
(7)ホームページの案内
本研究会ホームページを開設し,現在試験運用中です。年内に本格的運用できるように準備しており
ます。
試験運用中のホームページアドレス(URL)は,
http://www.nier.go.jp/homepage/jouhou/cooperation/j.htm
です。
今後,本研究会では,このホームページを有効利用し,最新の情報を全世界に公開していくつもりで
す。ホームページに関する御意見・御要望があれば,事務局まで御連絡ください。
現在,このホームページから,CASTEL/J '95(第1回国際会議),CASTEL/J '99(第2回国際会議)
の研究発表(または発表概要)を得ることができます。
(8)本研究会の活動について
日本語教育で役立つ教材を数多くデータベース化し,これを日本語教育関係者に流通するためには,
原著作者に対して著作物の使用許諾が必要です。そして,開発したデータベースの普及活動,継続的な
メンテナンス等のために,対外的な研究・連絡の窓口が必要です。これらの業務を円滑に行うために,
本研究会を1991年に設立しました。
CASTEL/J CD-ROM を入手し使用するためには,本研究会に入会しなければなりません。この理由は,
「著作物を日本語教育教材として使用する」ことが著作物の使用許諾条件になっており,この条件を守
ることによって,著作物を無償または低額な金額(著作権料)で利用することができます。
そこで,本研究会の会員になるためには,本研究会事務局の承認が必要です。これまで,無職(例え
ば主婦で子どもに日本語を教えている人),大学や大学院で日本語に関わる勉強や研究をしている学生
,日本語学校の非常勤講師からの入会をお断りしたケースがあります。しかし,入会承認されなかった
方は,知人の日本語学校の専任講師あるいは大学の指導教官に入会していただき,その後入手したCD-R
OMを入会者のもとで利用することができます。
また,本研究会は営利目的で活動をしていないため,本研究会の会費(入会金,年会費等)は徴収し
ておりません。事務局では,会員への連絡や会員からのお問い合わせについては,すべてボランティア
で活動しております。ニューズレターの郵送費等は,CD-ROMを購入する際にいただいた実費手数料でや
りくりしております。
今後とも,本研究会設立の趣旨を御理解いただき,本研究会研究活動に御参加願います。
(9)会員の連絡先の確認
今後とも,ニューズレターを会員皆様に確実に届けるために,この度,皆様の連絡先を確認いたしま
す。また,本研究会では,インターネットや電子メールを積極的に利用し,CASTEL/J会員への連絡や会
員相互の連絡に有効利用することを検討しております。そこで,皆様のインターネット利用環境や個人
情報の公開可否についてもお聞きしたいと思います。別紙の回答票に必要事項を御記入の上,本会事務
局宛に返信用封筒を用いて郵送するか,またはFAXで御返送願います。
なお,お手数ですが,郵送費またはFAX通信費は自己負担でお願いいたします。
(10)本研究会からの配布物
本研究会が発行した以下の配布物でお手元にないものまたは御必要なものがありましたら,事務局ま
でお問い合わせください。
〔有料〕
1 CASTEL/J CD-ROM(黄ラベル)
・研究会入会者でCD-ROM使用申込者に実費手数料1万円で配布しております。
・赤ラベルのCD-ROM(旧版)をお持ちの方は,無償で交換しております。
2第2回「日本語教育とコンピュータ」国際会議」(CASTEL/J'99)プロシーディング
・基調講演,一般研究発表等の44件の論文を収録し,総ページ数は 218ページです。
・CASTEL/J'99 プロシーディングを御希望の方は,部数と送付先を事務局に連絡し,実費手数料
2千円(1部)を下記銀行に振り込んで下さい。
※振込先 東京三菱銀行 目黒支店
普通 口座番号1059168
ニホンゴキョウイクシエンシステムケンキュウカイ
日本語教育支援システム研究会
ナカノ カヨコ
中野 佳代子
TEL:03−5322−5211
〔無料〕
1 CASTEL/J 研究会規約
2 CASTEL/J 研究会名簿(1997年9月30日現在)
3 CASTEL/J 研究会入会申込書
4 CASTEL/J CD-ROM 使用申込書
5 CASTEL/J(CD-ROM版)使用許諾
6「日本語教育支援データベース流通促進のための総合的研究」,研究代表者・及川昭文,
文部省科学研究費補助金研究成果報告書,基盤研究(A),No.06301098,1997年3月.
・本書に,赤ラベルの「CASTEL/J CD-ROM 利用の手引き(第1版)」が掲載されています。
・黄ラベルの「CASTEL/J CD-ROM 利用の手引き(第2版)」は,現在作成中です。
7 Readme.txt(CASTEL/J CD-ROM V1.2の内容を説明した文書)
CASTEL/Jに関するお問い合わせは,事務局宛に,郵便またはFAXでお願いします。
事務局からの回答に約1〜2ヶ月かかる場合があります。CASTEL/Jのシステム(CD-ROM,データベース等)
に関するお問い合わせで,緊急を要する場合は,下記宛に御連絡ください。
(緊急連絡先:国立教育研究所 坂谷内 勝,FAX 03-3714-0986,EMAIL saka@nier.go.jp