第4章 水産に関する課程における教育課程の編成

 

1.教育課程編成の一般方針

 水産に関する課程における教育課程の編成は,高等学校学習指導要領一般編に述べられている原則に従って行う。しだがって,まず,高等学校のすべての生徒に履修させる,次に掲げる教科・科目を39単位以上含めて編成されなければならない。

(ア) 「国語(甲)」「数学T」「体育」および「保健」

(イ) 「社会科」のうち,「社会」を含めて3科目

(ウ) 「理科」のうち2科目

 以上の教科・科目は,高等学校における水産教育の目標を達成させる上に,当然必要とするものである。さらに,水産科の科目は,それぞれ非常に専門的ではあるが,多くは,「数学」「理科」に関する教科・科目の学習を基礎として,いろいろに組み合わされている幅の広く,深い内容をもったものであるから,各課程の必要に応じて,最も密接な関連をもつ普通教科の科目・単位数を増加することが考えられる。また,外国語は一般的には選択教科であるが,課程の特色や生徒の進路に応じて,これを必修教科とし,必要な単位数を定めることが適当である。

 水産の科目は,30単位以上履修させることが原則である。水産に関する課程として編成されるものに,漁業課程をはじめ数課程があるが,このうち,機関課程および無線通信課程は,それぞれ船舶職員法に基く海技免状および電波法による無線通信士の資格取得を目ざして設けられた課程と考えられるから,その教育目標は具体的に明確で教育課程の編成も比較的よういである。しかし,水産の科目の中には,水産に関る課程のすべての生徒が共通に必修とされる科目がある。第1学年において履修さるべき「水産一般」「実習」の科目がそれで,水産教育の目標を達成させるための基礎的な学習である。したがって,機関および無線通信課程においては,これらの科目を含め,さらに,将来船舶職員として漁船に乗組む場合に必要な,漁業や航海に関する知識・技能を身につけさせることを考慮し,あまりに専門的に片寄って,水産の特色を離れた教育課程の編成は避けなければならない。その他の課程においては,地域社会および学校の状況等を考慮し,その課程を代表する科目を中心にして,必要な科目を組み合わせ,生徒の個性と進路に応ずることができるように教育課程を編成する。この際,同じ漁業課程でも遠洋に出漁する大型漁船の運用に重点をおく場合や,沿岸・沖合漁業を主にする場合も考えられる。また,漁具の製作や漁法について,あるいは経営管理の面を重く扱いたいという種々の事情も出てくるであろう。このように同一の課程において,二つ以上の教育課程を編成する場合は,共通に必要とする科目をなるべく広く与えられることができるようにするとともに,組織的・能率的な学習指導を行うことができる前提で,具体的な教育目標を定め,選択する科目およびその単位数を配した最も適切な教育課程を編成することがたいせつである。他の課程についても同じことがいえる。

 以上のことを考慮して,高等学校の全学年を一貫した学習計画のもとに,必要な科目およびその単位数ならびに特別教育活動およびその時間数を配当し,なおかつ全体としての調和を保つことを考え,最も効果的な指導ができるように教育課程を編成することである。

 

2.教育課程編成の要領

(1) 第1学年において各課程が履修する教科・科およびその単位数は,できるだけこれを共通にする。この場合の教科・科目は,上学年において履修する水産の科目の学習に基礎となる教科・科目を,なるべく大きい単位数で配当する。

(2) 第2学年以後においては,課程ごとに,その専門とする教科,科目に重点をおき,必要によっては生徒の個性や進路に応じて選択できるような教育課程の類型を設ける。この場合,普通教科目および水産科以外の職業に関する教科目を選択におくこともさしつかえない。

(3) 全日制の課程においては,教科時間として毎週32〜35単位時間,特別教育活動として毎週2単位時間を当てることを標準とする。ただし高学年においては,「乗船実習」および「実習」を履修する関係で.毎週35単位時間以上の学習を必要とすることがあるが,生徒の負担が過重にならないよう,実習中における単位時間の算定に注意する。

(4) 定時制の課程においては,教科時数として毎週22〜23単位時間,特別教育活動として毎週1〜2単位時間を当てることを標準とする。

 

高等学校 学習指導要領 水産科編 MEJ 2554
 
昭和31年1月30日 印刷 

昭和31年2月2日 発行 

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