第三章 国語科学習指導の計画
第一節 国語科学習指導の計画はどのようにたてたらよいか

一 国語の学習は、どんなところで、どんなふうに行われるか

 国語は、国民生活のあらゆる面で、欠くことのできないものとして使用されている。また、国語は日常の生活のあらゆる場面で使用されている。このように考えると、国語の学習は、単に学校の門内だけに限られないことがわかる。また、学校の内部でも、他教科の教科書や参考書を読み、教師やほかの児童の話を聞き、各種の報告や調査を書く。学習の話合いはもとより、テストの大部分でさえ、国語によってその目的を果している。それゆえ、児童は読んだり、聞いたりしたことについて、その意味を正しく理解したり、自分が考えたり、調べたりした事がらをはっきりと正しく有効に話したり、書いたりすることは、他教科の学習にとっても絶対に必要な条件である。

 国語はこのように、学校をも含めた社会生活全般にわたって、基本的な役割を果しているものである。したがって、すべての学習指導計画は、国語の有効な使用を考慮に入れてたてられなければならないとともに、国語の学習指導計画も、国語が学校の内外を通じて現実に使用されているという事実の上にたてられなければならない。ここに、国語の学習指導計画を社会の要求や他教科から孤立させてたててはならない根拠がある。

 国語の学習は、このように生活のあらゆる場面で行われるけれども、それだけでは、偶然的であり、他動的である。また他教科の学習を通じて行われる国語の学習もやはり付随的であることを免れない。

 児童のすべてが国語の習慣・態度・技能・能力・知識・理解・鑑賞にわたるすべての面をじゅうぶんに伸ばしていくためには、独自の学習活動や訓練が必要である。小学校における国語の学習は、まさに、このような必要に応じるものである。したがって、国語の学習指導計画をたてるにあたっては、学校外の国語の学習を効果的に指導し、他教科の学習を通じての国語の学習と密接な関連をもたせながら、国語科それ自身として、特別な、集中的な学習活動を展開させるように計画しなければならない。

二 国語科は、教育課程の中で、どういう位置を占めるか

 前に述べたように、生活全般にわたって果している国語の基本的な役割や、国語の学習の場面の広さを考えると、教育課程の中で占める国語科の位置も、おのずから明らかとなってくる。

 一般教育課程の目的は、帰するところ、児童を民主的社会の一員としてふさわしい人間に育成していくことであるが、そのために学習すべき各教科も、国語の学習指導計画の適・不適によって、その効果は左右されることが多い。ことに低学年では、国語の学習の失敗が、他教科の学習の失敗の決定的な原因となるものである。

 それゆえ、国語科の学習指導計画は独自な目標と学習時間とを必要とするものである。したがって、国語科の学習内容は、他教科の学習に際して要求される基本的な理解・技能・態度、たとえば、どう考え、どう読み、口頭や文字によってどう発表するかということは、国語科の学習時間で特に練習を必要とするものである。このような基本的な理解・技能・態度は、もちろん他教科の学習に際しても有効に働くのであるが、国語科としての学習計画において、特に、じゅうぶんに発達させられなければならない。これらの基本的な項目は、さらにいくつかの項目に分けられ、各学年の児童の精神や身体の発達に適応させながら配当される。

 国語科の学習内容の学年別の配当にあたっては、児童の知能の発達や特殊な必要についての科学的な調査や研究をもとにして決定しなければならない。この本にあげてある学年別の諸目標は、そうした考え方についての一つの参考案である。

 国語科として強調される学習活動には多くのものがあげられる。特に留意すべき項目としては、会話・話合い・相談・口頭による報告や説明・劇化、通信文の書き方、報告や記録の書き方などがある。これらの学習活動の基礎として、特に低学年では、ことばを話すこと、文字を読むこと、文字を書くことなどについての技能的な方面の確実な習得を重んじることがたいせつである。

三 国語科の目標と、児童や地域の実態の関係をいかに考えたらよいか

 国語科は全国共通の学習指導目標をもつものであるとともに、国語学習の場面が他教科の学習ばかりでなく、広く学校外の児童生活までにもおよぶことを考えると、児童の生活全般と、その児童がおかれている地域についての実態をはっきりつかむことが、国語の学習指導計画をたてる場合のたいせつな条件になってくる。

 教育の新しい傾向として、児童を中心とする学習活動が重要視されなければならない。児童を主とした学習活動は、児童の生活経験全体に基礎をおくものである。したがって、経験カリキュラムやコアカリキュラムによる国語学習の指導計画をたてる場合はもとより、教科書を中心とした学習指導計画をたてる場合でも、児童の心身の発達や児童の生活経験の実態についてのだいたいの理解がないかぎり、国語の学習は効果があがらない。

 児童はひとりびとり皆違っている。知能の発達や身体の発達が違っているばかりではなく、児童の経てきた社会環境や家庭環境がさまざまであることから、児童ひとりの過去の経験の量と質もさまざまであるし、情意・態度・習慣はもとより、社会性の発達もまちまちである。児童のこのような各種の違いは、児童の言語能力や言語活動にも大きく影響を与えている。語いの範囲や種類、話し、聞く力の程度、書物に対する親しみの程度、これらは、ほかの教科の学習にとっても同じであるが、特に国語の学習にとっては決定的である。もし、児童ひとりびとりの、こうした実態に対して、理解をもたず、同じ教科書で、一律な学習指導をさせるならば、学習の効果はなかなかあがらない。

 児童の実態は、テスト・調査・個人観察・父母との面接などによって、ある程度まで確かめることができる。教師は、それに基いて、国語の学習指導計画を真に児童中心となるように編成しなければならない。

 次に、児童は現にそれぞれの地域に住み、卒業後多くはそれぞれの地域の一員となるのであるから、それぞれの地域の実態やそれぞれの地域が特に必要とするものについても絶えず調査をして、その結果を国語の学習指導計画に反映させなければならない。

 国語の学習指導計画には全国共通の画一的なものがあるわけではない。この本に述べてあることは、一応の基準であって、これらを参考にしながら、各地域の実情に応じ、各学校の特殊性を考え、それぞれの学級の児童の実態に即して、実際的な学習指導計画がたてられなければならない。

四 興味と練習をどう組織したらよいか

 興味のないものを学習しても効果をあげにくい。国語の学習指導の場合でも、児童の興味に基いた計画をたてることが必要である。しかし、児童の興味の対象は、自然のままでは、範囲も狭く種類も少なく、かたよっていることも多いので、単に、興味調査をした結果だけを学習指導計画に取り入れることは危険である。

 児童の興味の対象を調べる方法には、いろいろあるが、次にあげる方法は、そのおもなものである。

 これらの方法を用いて、児童の興味の対象を調べても、それをすぐに題材なり、話題なり、問題なりに取り上げることは不適当である。少なくとも、次のような点に注意を払わなければならない。  なお、児童が興味を示していても表面上の好奇心にすぎないことがあり、適切な動機づけによらなければ現れない興味もあり、持続する力の弱い興味もある。それゆえ、教師は、  などを忘れてはならない。

 次に、練習が、国語の学習指導計画において、重要な位置を占めることはいうまでもない。特に、技能的な方面の学習では、同じ性質の問題をくり返し練習させたり、似かよった性質の問題を機会があるごとに練習させたりすることが必要である。

 練習を学習指導計画の中へどう組織するかは、その計画のたて方によって違ってくる。しかし、どの場合でも、練習だけを孤立させて機械的に行うことは、できるだけ避けるべきである。また、適切な動機づけを行って、練習の目的や効果について児童に知らせ、練習に対する興味と必要とを起させることが望ましい。練習による進歩の状態を児童にも絶えず知らせることは、とかく機械的になりやすい練習に興味をもたせる一つの有効な方法である。

 要するに、日常生活のときどきの必要や興味を逸することなく、これを有効に組織して、国語の学習指導を行うべきである。どこまでも総合的・全体的な立場にたたなければならない。ことばをしつけるにも、正したり、教えたりすることを本体とはせず、ひとりでにそうなるような環境の中で、知らず知らずの間に、ことばに対するよい態度が身につき、それが習慣となるように気をつけていかなければならない。しかしながら、総合的・全体的に、自然にことばの使用に慣れることを本体としながらも、系統のあることばの練習に、興味と必要とを感ずるようにしむけていくことがたいせつである。

 したがって、国語の学習とその指導は、興味と練習が、児童本位に、関連して進められるように組織しなければならない。

五 資料と方法をどう考えたらよいか

 国語の学習指導は、材料や学習指導の方法から切り離しては計画がたてられない。たとえば、地域差・学校差・設備差などの差異を初め、男女の性別・個性・家庭環境の相違などによって、受け持つ児童は皆違ってる。都会といなか、農・山・漁村などの違いによって、国語の学習指導計画や指導の方法に大きな相達がある。それゆえ、受け持つ学校に応じて、資料や指導の方法も違ってくるのが当然である。

 生活環境からくる直接経験は、国語学習にとって主要なものであるが、言語活動に応ずる各種の教材や教具や備品は、国語学習の資料として欠くことができない。たとえば、教科書・学習帳・ワークブック・新聞・雑誌・辞書・参考書・地図・絵画・写真・スライド・フィルム・おもちゃ・カタログ・実物模型・電話・マイクロフォン・蓄音器・ラジオ・録音器・紙しばい・人形しばいなどを初め、各種文学作品・各種の見本・プログラムなどいろいろな教具や備品があげられる。

 学習指導の方法についても、画一的であってはならないことはいうまでもない。それぞれの学級の実情に応じて最も適切なものを取り入れるべきである。

 一般に学習指導の方法が抽象的、一般的に考えられて、画一的になると、次のような危険が生じる。

 したがって、材料と方法とは、常に学級の実情に応じて適当なものを選び、生きた学習指導計画へ有機的に取り入れなければならない。

六 国語学習の話題には、どんなものがあるか。

 ことばは内容と切り離して学習することができない。児童は現実の事象について話し、書き、あるいは読むのである。すなわち、生活のやむにやまれぬ興味と必要から生れるさまざまな話題や問題をもつのである。これらは、学習活動を展開する動機となり、学習の題材となるものである。

 国語学習における話題や問題の範囲は広いが、これを児童の日常生活を主にして分けてみると、次のようになろう。

 また、児童の興味ある活動を主として分けてみると、次のようになろう。  昭和二十二年度の「小学校学習指導要領国語科編試案」に掲げた、読むことを主とする学習材料は、この場合においてもよい参考になる。 七 文法の学習指導はどのように考えたらよいか

 この学習指導要領で、文法の学習指導を独立の章節にしないのは、文法の学習指導をしなくてもよいという意味ではない。国語の学習指導に文法を取り入れることは当然なことであるが、文法を独立させ、孤立させて指導することよりも、国語の学習指導のあらゆる面に取り入れる取扱い方が望ましい。特に小学校の国語学習指導では、文法を体系や知識として孤立させて学習させるべきではなく、国語を正しく効果的に使いこなすために、文法的な事実を児童に自覚させてやる指導が主となるべきものである。

 本来、児童は、国語を無意識に使っている場合でも、ある程度文法上の規則に準じているものである。それを児童に自覚させて、正しく効果的に国語を使いこなせるように導くことが文法指導のおもなねらいである。それゆえ、文法の指導は、国語の学習指導のうちでも、特に話すことと書くことの学習指導に有機的に取り入れることが必要である。

 小学校で、学習指導の予想される文法の内容としては、だいたい次のことが考えられる。

 
第二節 国語能力表とは何か

一 国語能力表とは、どういうものか

 国語の能力表というのは、国語のさまざまな能力を、児童の発達段階に照して、学年別に、一つの表として、組織・配列したものである。

 教師がそれぞれの児童に適応した学習指導計画をたてる際には、まず、具体的な学習指導目標を考えなければならない。この具体的な学習指導目標を考える場合に、その基準となるものが、この国語能力表である。最近、国語の学習指導において国語能力表が取り上げられるようになったのは、主として、次のような理由からである。

二 国語能力表は、どんな性質をもっているか

 国語能力表は、次のような特質をもっている。

三 国語能力表は、どのように利用したらよいか

 国語能力表は、さきにも述べたように、さまざまな性質をもっているものであるから、学習指導計画をたてる場合、じゅうぶんにこれを利用することが望ましい。具体的な利用のしかたは、次のようである。

四 国語能力表を使用する上に、どんな点に注意したらよいか。

 この国語能力表を利用する場合には、次の諸点に注意することが必要である。

 
第三節 国語能力表

一 聞くことの能力
学年
能     力
継続学年
1 仲間にはいって、聞くことができる。

2 いたずらをしたり姿勢をくずしたりしないで聞くことができる。

3 相手の顔をみながら、静かに聞くことができる。

4 物語を読んでもらって聞くことができる。

5 返事ができる。

6 簡単な問に答えることができる。

7 簡単なことを聞いて、動作ができる。

8 短い、簡単な話なら、復唱ができるように聞くことができる。

9 簡単な話なら、その内容がわかる。

10 三千語から五千語のことばを理解することができる。

1−3
1−2
1−3
1−2
1−2
1−2
1−3
1−2
l−3
1 話を楽しんで聞くことができる。

2 放送を聞いて楽しむことができる。

3 話の荒筋をつかむことができる。

4 かわるがわる聞いたり、話したりすることができる。

5 話しぶりのよしあしがわかる。

1−3
1−3
1−3
1−3
2−4
1 相手が話しやすいような態度で聞くことができる。

2 進んで新しいことを知るために聞くことができる。

3 簡単な作法を守って聞くことができる。

4 話の荒筋を順序だてて、聞くことができる。

5 自分の経験を思い出しながら、聞くことができる。

6 話のたいせつな点を忘れないように、聞き取ることができる。

7 感想や質問をもつように聞くことができる。

2−4
3−5
2−4
2−4
3−4
3−4
3−5
1 映画をみて楽しむことができる。

2 相手の気持をのみこんで、聞くことができる。

3 相手の意見を尊重して聞くことができる。

4 儀礼的でなく、知識を求めるために聞くことができる。

5 話のよりどころを考えながら、聞くことができる。

6 話の主題と内容を考え合わせながら、聞くことができる。

7 音のよく似た語を区別することができる。

8 聞くことによって、語いが豊富になる。

3−6
3−5
3−5
3−5
4−6
4−6
3−5
3−5
1 相手の話を卒直な態度で聞くことができる。

2 あらかじめ準備して、聞くことができる。

3 聞いたことをうのみにしないで、疑問の点は聞き返すことができる。

4 要点をまとめながら聞き、必要によっては、メモを取りながら聞くことができる。

5 聞きながら、自分の意見をまとめることができる。

6 ことばづかいのよしあしを聞き分けることができる。

4−6
4−6
4−6
5−6
5−6
4−6
1 どんな場合でも、注意深く聞くことができる。

2 話の内容と相手の意図を正しく早くとらえることができる。

3 話のじょうずへた、話す事がらの適否を聞き分けることができる。

4 話の内容を批判しながら、聞くことができる。

5 聞いた話に関係のある資料を集めて、話を役だてることができる。

5−
5――
5−6
5――
6――
二 話すことの能力
学年
能     力
継続学年
1 相手をみながら、話すことができる。

2 知らない人の前でも、話すことができる。

3 たやすく仲間にはいって、友交的な態度で話すことができる。

4 絵について、話すことができる。

5 好奇心をもっていることや、知りたいと思っていることについて質問することができる。

6 生年月日・住所・学校・学年・家庭の職業などについて、話すことができる。

7 身近な生活経験を話すことができる。

8 日常の簡単なあいさつができる。

9 簡単な伝言がいえる。

10 簡単なさしずをすることができる。

11 主述のはっきりした話し方ができる。

12 幼児語を使わないで話すことができる。

13 なまりのない発音で話すことができる。

14 気持よく、調子のよい声で、話すことができる。

1−2
1−2
1−3
1−2
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1−3
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1−3
1−3
1−2
1−3
1−3
1 立ったりすわったりする動作や姿勢に気をつけて、話すことができる。

2 はっきりと、人にわかるように話すことができる。

3 ゆっくりと落ち着いて、注意深く話すことができる。

4 適当な順序を立てて、話すことができる。

5 話題を選ぶことができる。

6 家庭のことや社会の簡単なできごとについて話すことができる。

7 読んだり聞いたりしたことについて、話すことができる。

8 身ぶりを用いて、見たり、聞いたり、読んだりしたことを劇化することができる。

1−3
1−3
2−4
2−4
2−4
2−4
2−4
2−4
1 楽しんで話すことができる。

2 あいそうよく、グループの話合いに仲間入りすることができる。

3 自然な態度で話すことができる。

4 筋の通った話ができる。

5 観察したことや計画したことを順序だてて話すことができる。

6 話をとぎらさないように続けることができる。

7 正しいことばづかいで話すことができる。

8 その場にあった語調で、話すことができる。

9 抑揚のある声で話すこどができる。

10 話合いができる。

1−4
2−4
3−5
3−5
3−5
2−5
3−4
3−5
3−5
3−6
1 じょうずに話そうとする心構えができる。

2 他人の意見を尊重して、話すことができる。

3 親しみのある態度で話すことができる。

4 読んだ本について、簡単な報告をすることができる。

5 理由や根拠をあげて、自分の意見を述べることができる。

6 要点をつかんで話すことができる。

7 電話をかけることができる。

8 適当な速さで話すことができる。

9 方言を使わないで話すことができる。

10 適当な修飾語を用いて、話すことができる。

11 自分の話法の誤りを認めることができる。

12 ある程度、話の切り出しや結びをじょうずにすることができる。

3−5
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4−6
3−5
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3−5
4−5
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4−6
4−6
4−6
1 相手の気特を尊重して話すことができる。

2 礼儀正しく話すことができる。

3 話の内容にふさわしい身ぶりや表情ができる。

4 自分の考えをまとめ、内容を整えて話すことができる。

5 メモをもとにして話すことができる。

6 一つの話題を続けていくことができる。

7 質問や報告、説明や発表がはっきりと要領よくできる。

8 グループの話題・意見をまとめて発表することができる。

9 その場にふさわしい話題を選ぶことができる。

10 敬語を適当に使うことができる。

11 語や句をある程度選択して表現に富んだ話ができる。

12 物語をおもしろく話すことができる。

13 劇の役割をじょうずに務めることができる。

4−6
4−6
5−6
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4−6
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4−6
4−6
1 正しいことばの自覚にたって、話すことができる。

2 むだのない力強い話ができる。

3 自分のことばに責任をもつことができる。

4 話題をじょうずに展開することができる。

5 じゅうぶん自信をもっていることだけ話すことができる。

6 会議やグループなどの司会が要領よくできる。

7 時間を考えて、ほどよく話すことができる。

8 改まったあいさつができる。

9 ことばを自然に使うことができる。

6−−
6−−
6−−
5−6
5−6
5−6
5−6
5−6
6−−
三 読むことの能力
学年
能     力
継続学年
1 本や絵本を読みたがるようになる。

2 本の持ち方やページの繰り方に慣れる。

3 文をどこから読み始めたらよいかがわかる。

4 文のどの方向から読めばよいかがわかる。

5 正しく行をたどって読むことができる。

6 拾い読みでなく、文として読むことができる。

7 声を出さないで、目で読むことができる。

8 声を出して読むことができる。

9 自分の名まえが読める。

10 自分の経験と文字とを結びつけることができる。

11 短い文章なら、そのだいたいの意味がわかる。

12 簡単な入門準備書または、入門書的な読み物を娯楽のために読むことができる。

13 初歩的な読み物を即座に読むことができる。

14 ひらがなが読める。

15 アラビア数字が読める。

16 文字のほかの諸記号(てん・まる・かぎ)がわかる。

17 漢字は、だいたい三〇字ぐらい読むことができる。

1−2





1−2
1−2

1−2
1−2

1−2


1−3
1 読むことにだんだん慣れてくる。

2 考えながら読む態度が、高まってくる。

3 黙読するとき、くちびるを動かさないで読むことができる。

4 大ぜいの前でじょうずに読むことができる。

5 一年生の初歩読本程度の読み物を即座に読むことができる。

6 二年生程度の読本を読んで理解し、練習してなめらかに読むことができる。

7 長い文でも、最後まで読み通すことができる。

8 問に答えるために、黙読することができる。

9 文の荒筋をとらえることができる。

10 情報や知識をうるために、本を読む度数がますます多くなる。

11 読んだ本の内容を、他人に伝えて喜ぶようになる。

12 絵および文の前後の関係を手がかりにして、ことばを理解することができる。

13 かたかなのだいたいが読める。

14 文字のほかの諸記号がわかり、それに注意して読むことができる。

15 漢字は、だいたい一三〇字ぐらい読むことができる。

1−3
2−4
1−3
1−3
1−2
2−3
2−4
2−3
2−4
2−4
2−4
1−3

2−3
1 長い文でも、楽しんで読むことができる。

2 ひとりで本を読む習慣ができる。

3 音読より早く黙読することができる。

4 いろいろな目的のため、本を読む能力と意欲がだんだん増してくる。

5 自分の興味をもっていることについて、読み物を選択することができる。

6 内容の要点をじょうずに読み取ることができる。

7 文の好きなところや、おもしろいところを抜き出すことができる。

8 文の常体と敬体との区別がわかる。

9 手びきや注釈などを利用して読むことができる。

10 目次を利用して読むことができる。

11 他人を楽しませるために、なめらかに、わかりやすく音読することができる。

12 かたかなが読める。

13 漢字は、だいたい二八〇字ぐらい読むことができる。

2−4
1−3
2−4
3−4
3−5
3−4
2−4
3−5
3−4
3−4
2−4

1 物語・実話・ぐう話・時事などの種々の読み物に対する興味がだんだん増してくる。

2 文の組立がわかる。

3 文の段落がわかり、その要点がつかめる。

4 問題を解決するために読むことができる。

5 読書によって得た知識や、思想をまとめることができる。

6 前後の意味から、わからないことばの意味をとらえることができる。

7 一つのことばのいろいろな意味について、考えることができる。

8 ことばの構造とか意味について、一段と強い興味ができてくる。

9 よい詩を読んで楽しむことができる。

10 児童のための新聞や雑誌を楽しんで読むことができる。

11 漢字はだいたい四六〇字ぐらい読むことができる。

12 (ローマ字文が読める。)

4−6
3−5
3−5
4−6
4−6
4−6
4−6
3−6
3−6
4−6

3−6
1 良書に対する興味が増してくる。

2 文意を読み取ることができる。

3 長文でも、その要点を書き抜きしながら、読むことができる。

4 文の内容や表現について、こどもらしい批評ができる。

5 読む速度がだんたん増してくる。

6 物語などを脚色して、演出することができる。

7 参考書や地図・図面などを利用して調べることができる。

8 辞書のひき方がわかる。

9 辞書をひいて、新出語の読みや意味をとらえることができる。

10 漢字はだいたい六八〇字ぐらい読むことができる。

4−6
3−5
5−6
4−6
4−5
4−6
4−6
4−6
5−6
1 よい文学に対して興味が増してくる。

2 多種多様な文に興味をもつようになる。

3 本を選択して読むことができる。

4 序文を読んで、本を選択することができる。

5 文意を確かに早くとらえることができる。

6 文の組立を確かに早くとらえることができる。

7 叙述の正しさを調べることができる。

8 案内や注意書きなどを利用して読むとができる。

9 読む速度がいよいよ早くなる。

10 感想や批評をまとめながら、読むことができる。

11 参考資料・目次・索引などを利用して読む能力が増してくる。

12 新聞・雑誌などを読む能力が増してくる。

13 娯楽のためや知識をうるために、黙読する能力が増してくる。

14 他人を楽しませたり、情報を伝えたりするために、明確な発音でなめらかに音読する能力が増してくる。

15 漢字は、だいたい当用漢字別表を中心とした八八一字程度の文字が読める。

16 (ローマ字のつづけ字を読むことができる)

6−−
5−6
5−−
5−−
5−6
5−6
5−−
5−−
5−6
5−−
5−−
5−−
5−6
5−6
 

四 書くことの能力(作文)
学年
能     力
継続学年
1 文字で書くことに興味がわいてくる。

2 簡単な口頭作文ができる。

3 自分で書いた絵に、簡単な説明をつけることができる。

4 家庭への伝言など、簡単なメモを書くことができる。

5 自分の行動や身辺のできごとなどについて、簡単な文を書くことができる。

1−2
1−2
1−2
1−2
1−2
1 生活を主とした絵日記を書くことができる。

2 簡単な絵話を書くことができる。

3 感情のこもった短い文を書くことができる。

4 身近な生活の報告や記録を主とした簡単な文を書くことができる。

5 親しい友だちや先生などに簡単な手紙を書くことができる。

6 簡単な礼状や招待状を書くことができる。

7 順序正しい筋の通った文を書くことができる。

8 お互の作文を読み合って楽しむことができる。

9 文の時の使い分けができる。

10 てんや、まるをうつことができる。

1−3
1−−
1−−
2−3
2−3
2−3
1−3
2−4
1−3
1−4
1 飼育栽培などの長期にわたる記録が書ける。

2 簡単な紙しばいの台本が書ける。

3 日記・手紙・報告などを書くために、その素材をまとめることができる。

4 児童会やクラブ活動に必要な情報を、短い文にまとめることができる。

5 文を詳しくするために、必要なことばを書き加えることができる。

6 文の筋をはっきりさせるために、不必要なことばを削ることができる。

7 自分の作品を整理したり、文集をつくったりすることができる。

8 新しいことばを使用する興味が出てくる。

9 ことばの正しい使い方の基礎ができる。

10 よく推考することができる。

11 自分の作文や人の作文について、評価を始める。

12 文字のほかの諸記号の使い方がわかる。

2−4
2−3
2−4
3−4
3−4
3−4
2−5
3−5
3−5
3−6
2−3
2−3
1 読んだ本について、その荒筋や感想が書ける。

2 いろいろな行事についての標語や宣伝・広告の文が書ける。

3 見学、調査などの簡単な報告の文が書ける。

4 ゲームの解説や作業計画などについて、説明の文を書くことができる。

5 児童詩をつくるととができる。

6 物語や脚本を書くことができる。

7 多角的に取材して、まとまりのある生活日記を書くことができる。

8 文の組立を考えて、段落のはっきりした文を書くことができる。

9 敬体と常体との使い分けをすることができる。

3−5
3−5
3−4
3−5
3−6
3−6
3−6
3−5
4−5
1 調査や研究をまとめて、記録や報告の文が書ける。

2 児童会やクラブ活動などのいろいろな会の、簡単な議事録をつくることができる。

3 注文・依頼・お礼など、いろいろな用件に応じた手紙が書ける。

4 電文が書ける。

5 書いたり話したりするために、素材を整えて簡単な筋書きをすることができる。

6 一つの文を補記したり、省路したりして、主題のいっそうはっきりした文にすることができる。

7 小見出しをつけて、文を書くことができる。

8 方言を区別して書くことができる。

9 敬語を適切に使って、文を書くことができる。

10 適切な語を選ぶ能力が高まってくる。

11 語いが増大してくる。

12 表現が創造的になってくる。

13 多くの作品を読んで、書く能力を高めることができる。

4−6
4−6
4−6
5−6
5−6
4−6
 
4−6
5−6
5−6
5−6
5−6
5−6
4−6
1 映画・演劇・放送などについて、感想や意見を書くことができる。

2 自分の意見を効果的に発言するために、原稿を書くことができる。

3 自分の生活を反省し、文を書くことによって思索することができる。

4 読んだ本について紹介・鑑賞・批評の文を書くことができる。

5 学校の内外の諸活動に必要なきまりを書くことができる。

6 学校新聞を編集することができる。

5−
5−
5−6
5−
5−6
6−−
五 書くことの能力(書き方)
学年
能     力
継続学年
1 文を書くことに興味をもち、書くことに意味がわいてくる。

2 書くときの姿勢や用具の扱い方がわかる。

3 鉛筆で字を書くことができる。

4 一・五センチ角ぐらいの文字が書ける。

5 自分の名まえを書くことができる。

6 簡単な問に対して答を書くことができる。

7 視写することができる。

8 簡単な語や文を書くことができる。

9 文字に筆順のあることがわかる。

10 ひらがなが書ける。

11 読める漢字のだいたいが書ける。

12 アラビヤ数字が書ける。

1−2
1−3
1−2
1−2


1−3
1−3
1−2
1−2

1−2
1 運筆がだんだん楽になっくる。

2 聴写ができる。

3 簡単な文の句点・とう点などを書くことがきる。

4 文字の形が、だんだん整ってくる。

5 ノートの使い方がわかる。

6 かたかなのだいたいが書ける。

7 読める漢字のだいたいを書くことができる。

2−3
2−4
1−3

2−3
2−3
1 一・二センチ角ぐらいの大きさの字が書ける。

2 横書きができる。

3 白紙や、けい紙が使えるようになる。

4 はがきや手紙を書くことができる。

5 封筒の上書きを書くことができる。

6 標準的な筆順で書くことができる。

7 文字を組立る基本の形(へん・つくり、かんむり)のあることがわかる。

8 文字の形を整えるための能力がだんだん発達してくる。

9 読める漢字のだいたいが書ける。

10 かたかなが書ける。

3−4
3−5
3−5
3−5
3−5
3−6
3−4
3−4

1 文字の形・大きさ・配列などに気をつけて、書くことができる。

2 標語やポスターなどを書くことができる。

3 原稿用紙が使えるようになる。

4 いろいろな表や、こづかい帳の記入などができる。

5 読める漢字のだいたいが書ける。

6 (毛筆で字を書くことができる。)

7 (ローマ字が書ける。)

4−6
4−6
3−5
4−5

4−6
4−6
1 一センチ角以内の細字が書ける。

2 書いた文字のよしあしがわかり、進んで上達しようと努力するようになる。

3 名札・表紙・案内・掲示などを書くことができる。

4 ペンで字を書くことができる。

5 読める漢字のだいたいが書ける。

4−6
4−6
4−6
4−6
1 自然な姿勢で、能率的な運筆ができる。

2 欠席届や、願書類などを書くことができる。

3 文字の形、大きさ、配列などが整ってくる。

4 行書が書ける。

5 早く自由に書けるようになる。

6 鉄筆を使うことができる。

7 読める漢字のたいたいが書ける。

4−−
6−−
5−−
5−−
5−−

第四節 幼稚園におけることばの指導はどう進めたらよいか

一 この期のこどもの一般的な傾向は何か

 この期のこどもは、身体的にも精神的にも幼児期に属している。したがって、その指導は、この時期の心理的および身体的な発達に適応して、幼稚園という教育環境における指導を考える必要がある。ことばの指導という教育の一面を考える場合にも、この時期特有の目標と方法とをたてなければならない。

 この時期のこどもは、一般的にみて、社会性がじゅうぶんに発達せず、家族関係を除くほかは、人間相互の関係がはっきり意識されず、遊ぶ仲間も、せいぜい三、四人である。話す語いは、三千に満たず、それもみな話しことばとして、身近な日常生活の用を弁ずるにすぎない。しかも、たぶんにいわゆる幼児語を用い、片言を使うことが多い。ことばに対する自覚もじゅうぶんでなく、ことばをことばとして反省したり、学習したりすることができない。ことに、発声諸器関の発達がじゅうぶんでないから、その発音や表現には、この時期らしい特徴がある。ただ、日常生活の中で、その時その場の必要と興味とによって、ことばを使用するにすぎない。したがって、この期のこどもは、あらゆる生活経験を通して、聞き慣れ、話し慣れることによってことばを習得していくのである。ここに「環境」の問題が大きく考えられてくる。こどもは、よい環境の中で、活発な言語生活ができて、言語に対するよい習慣・態度・技能が育っていくのである。この期のこどものことばの指導について、以上のような一般的な傾向を考えながら、その目標と方法を決めるべきである。

二 この期のこどもの具体的指導目標は何か

 この期のこどもの多くは、まだ精神年齢が満六才と六か月に達しないのであるから、読むことの準備ができていないので、文を読んだり、書かせたりすることは、一般的にはありえない。したがって、ことばの指導としては、「聞くこと」と「話すこと」の二つに限定され、次のようなことが具体的指導目標となる。

三 ことばの指導はどう進めたらよいか 四 ことばの指導上どんな点に注意したらよいか

 この期のこどもの特殊性から考えて、次のようなことが強く要求せられる。

 
第五節 第一学年の国語科学習指導はどう進めたらよいか

一 教師が手をつける第一の仕事は何か

 新入学児童にとっては、学校はまったく新しい世界である。すべてのことが入学と同時に大きな変化をする。

二 この学年の具体的指導目標は何か

(一) この学年の一般的傾向は何か

 この学年の児童の一般的心理傾向は、まだたぶんに幼児的心性をもっているということができる。しかし、言語生活においては、大部分の児童は、幼児語の域を脱して、家庭の人たちや友だちと話合いができる。けれども、自己中心的な傾向は、感情的で、大きな声で話をしたり、またひとりで話しがちであり、他人の話に、黙って耳を傾けるというような態度は、まだじゅうぶんに現れてこない。

 この期の児童の聞いて理解できる語いは、約三千語から五千語あるといわれ、あらゆる種類の品詞が相当に使われている。しかし、その表現は、ら列的であり、まとまった文としての形は、まだ整わない。

 読むこと、書くことの方面からみると、はじめて文字ことばの世界に足を踏み入れるのであるから、児童は、驚異の目を見はって、文字を学んでいく。

 文字ことばの世界における、児童の読書傾向は、まんが・おとぎ話・ぐう話・逸話・伝説などの想像的、空想的な読み物を喜んで読んだり、聞いたりしているのである。

(二) この学年の具体的指導目標は何か

 この学年の指導目標は、話し、聞く生活を地盤として、読み、書く生活への目を開かせていくところにある。そのためには、興味ある話題を中心として、言語経験を豊かに営ませていくことに心がけなければならない。次に、その具体的目標をあげる。

三 聞くことの学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 聞くことの習慣や態度を養い、技能をみがくためには、必然的な聞く機会と場をとらえて、指導を進めていくことが望ましい。これが指導の目あてとしては、次のことがあげられる。

(二) どう指導したらよいか

 聞くことの指導は、聞くことの必要の場に立ち、その機会をとらえて指導を進めることが効果的である。

 次に、その指導の要領を述べる。

(三) どんな点に注意したらよいか 四 話すことの学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 話すことの学習指導の要領は、児童を集団生活の場において、話す必要とその機会を与え、話すことの必然の場において指導することが何よりも望ましいことである。次に、この学年の指導の目あてをあげる。

(二) どう指導したらよいか

 この期の児童には、まず安定感をもたせ、楽しくのびのびとした場を与えて、自由に話合う機会と場を豊かに用意していく。

(三) どんな点に注意したらよいか 五 読むことの学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 はじめて文字ことばの世界にはいるのであるから、読みの準備の整ったころをみはからって、読むことの指導に進む。読むことは、何かを知るために、また、楽しみのために読むのであるから、豊かに読む材料を用意し、読む習慣・態度・技能を育てていくことを目あてとする。

 この学年の指導の目あてをあげると

(二) どう指導したらよいか

 読むことの指導を効果的に発展させるためには、読みに対する児童の心溝え−−読むことの学習への準備ができたころを見はからって、指導を始める。この読みの準備をしないで指導を始めるところに、読むことの遅進児を生み、遅滞児を生むことになる。であるから児童の読みが始められるためには、まず児童に読みに対する準備ができているかどうか診断して、準備のできた機会をとらえて始めなければならない。

 では、読むことの学習への準備ができているかどうかを知るにはどうすればよいか。それは、児童が普通次のような兆候を示したときに、読むことへの学習の準備ができたといえるのである。

 以上のような徴候ができたかどうか、教師は、細心の注意と、鋭い観察と、確かな調査によって、これらの徴候を知るように心がけなければならない。もしこれらの徴候ができていない児童には、なるべく早く親切な行きとどいた指導をして、読むことに関心をいだかせるように指導しなければならない。

 そのためには、絵本を見せたり、読みの背景となるような経験を与えたり、文字板学習をしたりして、読むことへの経験を与えるように環境を整理し、その地域や学校に応じた指導をくふうしなければならない。

 また、個人的には、読みの障害となる身体的、精神的方面を診断して、治療していくことを忘れてはならない。たとえば、栄養障害があるとか、目や耳の欠陥があるとかなどの身体的障害はできるだけ早く発見し、その除去について、専門家や父母と相談していくことがたいせつである。また、精神上にその障害の認められるものは、感情上の不安や恐怖を除去し、安定感をもって学習するようにさせる。知能の低い児童にあっては、できれば特殊学校へ、できなければ、特別に指導していく以外にない。

 次のように指導を進めていく。

(三) どんな点に注意したらよいか 六 書くこと(作文)の学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 書くこと(作文)は、相手に何か自分の考えを伝えるために話しことばのかわりに、文字記号をもってする働きであるから、話すことを地盤として指導を進めていくのが自然である。

(二) どのように指導したらよいか (三) どんな点に注意したらよいか 七 書くこと(書き方)の学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 書き方は、自分の考えたことや感じたことを、他人に伝えるために、自分の心覚えや研究調査のために書くときに行われる働きである。したがって、書き方は作文と一体となって、その学習と指導の機会と場を見いだすことができる。そのとき、相手に正しく読んでもらうためには、文字を正しく効果的に書くことが要求されるのである。

 そこで、この学年の指導の目あてとしては次の諸点があげられる。

(二) どのように指導したらよいか

 書き方は、読み方よりやや遅れて始まる。文字板学習や読むことの学習によって文字に親しみ、文字の形の識別がよくできるようになってから、はじめて書き方を課するようにする。

(三) どんな点に注意したらよいか  
第六節 第二学年の国語科学習指導はどう進めたらよいか

一 この学年の具体的指導目標は何か

(一) この学年の一般的傾向は何か

 二年生になると、児童は、学校生活にも慣れ、落ち着いた態度を示してくるが、まだたぶんに幼児的な傾向にあるといえる。

 身体的な発達においては、全身的な力量の発達が見られ、手先の運動の速さ。巧みさの増してくることが認められる。したがって、書くことにおいては、字形も整ってくるし、速く書けるようにもなる。

 考える働きにおいては、一年生の初期にみられたような、自己中心からだんだん脱却し、社会性が芽ばえてくるから、仲間にはいって盛んに話し合ったり、活発な友人相互の交渉をもつようになる。普通はおしゃべりで、話しとばはだいたいにおいて完成の域に達する。発育も整ってきて、おとななみにすらすら話のできるようになるのが普通である。

 読むことの場合には、文字に親しみを覚え、読書力は大いに進歩するが、まだ絵の媒介がないと、興味は持続しない。絵入りの童話や、紙しばいに異常な興味をもつ。また、読む内容も、ぐう話から生活童話に向かい始める時期でもある。

 文は、ら列的であり、表現形式も並べていくだけで表面的な叙述が多い。したがって、描写の細かい整った文は書けない。語いはかなり発達し、助詞の用法も、広く、深く取り入れて、使用するようになる。

 要するに、二年生としての一般的傾向は、幼児的な特質の終りの段階にあり、したがって、言語生活は過渡期にあり、混乱期にあるといえる。

(二) この学年の具体的指導目標は何か

 二年生の一般的傾向に照し、この学年の指導目標には、次のようなものがある。

二 聞くことの学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 二年生では、まだ注意力が長く続かないから、少し長い話になると、ほかのことを考えながら聞いていたり、ぼんやりして聞いていたりする場合が多い。

 聞くという積極的な努力なしに、聞こえるという程度にしか聞いていないのである。これは一対一の場合より、ひとりの話を大ぜいで聞く場合に多い。他人の話をしっかり聞いて、よく理解し、その話の荒筋がつかめるようにすることが、この学年ではたいせつな仕事である。

 また二年生では、話合いの基礎的練習をしなければならない。自分のいうべきときと、聞くべきときをはっきりわきまえる態度が必要である。さらに進んで、他人の話がやや批判的に聞けるようにすることもたいせつである。

 次に、その目あてをあげてみる。

(二) どう指導したらよいか

 聞くことは、話すことと表裏一体のものである。学習において聞くことが孤立していることは、きわめてまれである。聞くこと、話すことは、交互に連関して、しだいに練習されていくものである。したがって、聞くことの指導は、話すことと融合させて、この二つの言語活動を相関的に指導していくのでなければ、その効果があがらない。

 次に、聞くことの機会と場をあげて、指導の要領を述べる。

(三) どんな点に注意したらよいか

 よい聞き相手があってこそ話じょうずが生れるものであるが、この学年ぐらいでは、内容、表現ともによい効果的な話があってこそ、よく聞く活動が生れてくる。これは、二年生の一般的な傾向や、注意力や、興味の問題につながる。児童の興味のない話を聞かせることは、この学年の児童には、まだむりである。教師は、正しく、はっきりと、わかりやすい話ができるように、まず自分自身の練習をつむ必要がある。このことは教師が、児童の聞くことや話すことの指導で備えなければならない最大の要件である。

 聞くことの指導上注意すべき点については、次のようなことが考えられる。

三 話すことの学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 二年生になると、話すことの活動が盛んになり、日常の生活言語を用いて、おとな相手にも話せるようになる。語いも豊富になってきて、一方、おしゃべりになる。しかし、まとまった、筋の通った話はなかなかできない。態度も自由でのびのびしているが、きわめて衝動的で落ち着かない。この期では、まず、そうした態度の確立からはじめて、次のような指導の目あてをおく。

(二) どう指導したらよいか

 二年生の言語生活はまだ文字力が少ないので、読んだり、書いたりすることにくらべて、話すことの生活の方がきわめて多い。

 したがって、あらゆる話す機会と場を、有効に生かして、話すことを経験させることによって、その技能をたかめていかなければならない。これは、一年生の話すことの学習指導においても述べたことであるが、二年生も、次のようなことが考えられる。

 どんな点に注意したらよいか

 話すことの機会や、場は、きわめて多く、多種多様であるから、そのとき、その場に応じた指導をすることが望ましい。したがって、その時、その場に応じて、話すことの目標のどこに力を入れるべきかをはっきりさせて、指導にあたることが肝要である。

四 読むことの学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 二年生になると、だんだんと、文字に親しみを覚え、読むことに興味をもち、また、その読む範囲が拡大されるので、読むことの目あても多岐にわたるようになるが、要約すると、次のようになる。

(二) どう指導したらよいか

 児童は、ひらがなを習得すると、読むことによって、聞くことよりもたしかにまた順序だってわかるので、まったく新しい経験が得られることがわかってくる。また文字という抵抗を押しのけて、その内容を探っていく興味もわいてきて、読むことに積極性が増してくる。それでは、このような時期の児童をどう指導したらよいか。

 などの表記を読む場合。

(三) どんな点に注意したらよいか

五 書くこと(作文)の学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 二年生は、まだ文字の書写能力がじゅうぶん身についていないし、構想もまとまったものをもっていない。文字で発表するより、話しことばで発表するほうが、生活の場や機会も多い。ごく簡単な短い文や、記録・手紙などから指導し、だんだんと作文に興味をもたせることが肝要である。

(二) どう指導したらよいか

 作文は、低学年では、話すことと表裏一体のもので、多少の例外はあるにしても、話すことが向上すれば、作文の能力も向上するといわれている。

 口頭作文を重視し、作文に興味を起させ、書くことに過重な負担をかけないようにする。

 文字や表現にばかりとらわれると、自由にのびのびとした作文を書くことができなくなり、またかえって、作文をきらいにさえする。したがって、この期の児童の作文の指導は、気長にすることが、何よりの根本的な態度といえよう。

(三) どんな点に注意したらよいか 六 書くこと(書き方)の学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 一年間の国語の学習で、文字への親しみが増し、手先の運動も巧みになってくるから、書写の意欲はしだいにたかまってくる。この時期に正しく書くことを、しっかり習慣づける必要がある。

(二) どう指導したらよいか (三) どんな点に注意したらよいか  
第七節 第三学年の国語科学習指導はどう進めたらよいか

一 この学年の具体的指導目標は何か

(一) この学年の一般的な傾向は何か。

 三年生の児童は、小学校の低学年の域を脱して、身体的な面でも、また精神的な面でも、著しく活動的になる。好奇心や探究心がおうせいに働き、新しい知識をむさぼり求める。機械的記憶が正確で、このための練習にも、興味がわいてくる。

 社会的意識がしだいに表われ、これまでの自己中心の考え方や行動が、対他的、協同的に発展してくる。ここに、自覚的な道徳性の芽ばえがみられる。こうした、いろいろな傾向は、ただちに国語学習の内容や方法に対する基本となる。

 言語生活についてみると、話しことばがひととおり身につき、発音や調子ばかりでなく、その場に応じた話の内容や用語が整ってくる。このために、おとなの仲間にはいって話を聞くことができるようになり、簡単な日常の用をたすには、おとなと話をしても不自由がなくなる。読むことは、文字力・語い力が著しく進み、これを基本として、文章の解釈が正確となり、読書に対する興味も高まってくる。その範囲は、童話・漫画・冒険物語・科学読物・伝記などにひろがってくる。書くことも、ひととおり自由になる。一般には、書くことは、話すこと・聞くこと・読むことにくらべて、文字を習得し、書くという技能を必要とする形式上の負担が大きいために、児童の興味が低く、その発達が遅れるものであるが、三年生になると、読書力がおおせいになるにつれて、この方面もしだいに活動的になってくる。

(二) この学年の具体的指導目標は何か

二 聞くことの学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 三年生になると、聞くことの態度の上でも、整った正しいものになり、聞くことの内容についても、ただ楽しむというだけでなく、さらに進んでまた、新しいことを知ろうとする。そうして、これまでの形式的な聞き方から、さらに進んで自覚的な聞き方になってくる。次に、指導の目あてをいくつかあげてみよう。

 以上のように、この学年は、一、二年で得た態度や技能をひととおり整理し、これをさらに反復して、内容形式ともに確実な基礎を築くべき時期である。

(二) どう指導したらよいか

 三年生になると、聞くこと、話すことの分野が非常に広くなり、その興味や欲求が活発となる。これを基本として、次のような取扱を進める。

(三) どんな点に注意したらよいか 三 話すことの学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 三年生になって、聞くことについての興味が増し、その範囲が広くなるのにつれて、話すことに対しても興味が加わり、態度も自由になり、さらにまた、その内容も豊富になる。そうして、日常の言語生活では、おとなの仲間入りをして話すことができるまでに進んでくる。この学年での目あてとしては、次のようなことが考えられる。

(二) どう指導したらよいか

 話すことは、いつも聞くことと一体となり、常に機会を生かして、自然の間に話すことの要領を習得するように指導することがたいせつである。

(三) どんな点に注意したらよいか 四 読むことの指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 三年生になると、一般的には、文字の力が増し、語いが豊富となり、理解力もだんだんと正確になってくる。したがって、初歩的な鑑賞もでき、読書力もさかんになってくる。一部の児童は、一冊の童話の本を一、二日で読み終り、学級文庫の四五十冊の本は一冊残らず続んでしまう。ところが、これに反して、少数の児童の中には、ほとんど読書の興味を発見できないものもいる。したがって、三年生は、読書力の上で、進歩の速いものと遅いものとの間に相当の開きのできる学年で、この学年で、読むことの指導の目あてとしては、次のようなものが考えられる。

(二) どう指導したらよいか (三) どんな点に注意したらよいか 五 書くこと(作文) の学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 三年生になると、作文を書くにあたって、目標をはっきりつかんで書くことができ、また、文を詳しくするために、必要なことばを書きたすことができるようになる。記述の形式では、句とう点や、かぎの使い方が確かになり、助詞の使い方もわかってくる。書いたものについて、誤字や脱字を、自分でなおすことができて、文がだんだん整ってくるとともに、長い詳しい文が書けるようになる。この能力の発達にたって、次のような目あてをおいて指導を進めていく。

(二) どう指導したらよいか (三) どんな点に注意したらよいか  書くこと(書き方)の学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 三年生になると、文字の形の認識、書写のための手指の修練、書くことの必要感などがだんだん高まってくる。このために書くことがひととおり整うようになる。この実態に即して、書くことの指導目標を次のように考える。

(二) どう指導したらよいか

 この学年の書くことの指導は、社会科・理科その他すべての学習と一体となって進められるのが本体である。

(二) どんな点に注意したらよいか  
第八節 第四学年の国語科学習指導はどう進めたらよいか

一 この学年の具体的指導目標は何か

(一) この学年の一般的な傾向は何か

 第一に、自己中心的なこれまでの傾向からだんだんと離れ始め、物の見方や考え方が知性的に目ざめてくる。つまり、演えき的に物を考えるようになり、与えられた問題を解決するための思考力が生れるので、問題のはっきりした話を正確に聞き取ったり、問題を解くために読書をするような傾向が見えてくる。想像力も創造力も、このために急速な発達を示すようになり、作文力も伸びてくる。

 第二には、社会生活に対する意識の芽ばえがあげられる。集団意識がかなりはっきりしてくるので、組織的なグループによる共同学習ができるようになる。しかも、お互が自主的に、道徳的な協調を心がける態度が見られる。このことは、児童会とか、さまざまなグループ活動の効果をあげるに違いない。

 第三の傾向としては、さまざまな運動がこの学年で基礎的な発達を遂げ、これまでよりもさらに、手先の運動が巧みになる。したがって、書写力・記述力が目だって進歩する。

(二) この学年の具体的指導目標は何か

 前述のような傾向に注意し、さらにこの学年の児童たちの能力と興味とを考え合わせながら、次のような指導目標をたてることができる。

二 聞くことの学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 この学年の指導上のねらいは、ただ興味本位に聞くのではなく、話題の焦点をしっかりとつかみ、相手のいおうとする事がらを正確に聞き取るという点にある。そこで、次のような目あてを立てることができる。

(二) どう指導したらよいか (三) どんな点に注意したらよいか 三 話すことの学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 この学年のねらいは、聞き手の心持を考えて、常に話した効果を忘れないという態度を習慣づける点にある。そのために、心の持ち方と話術のくふうに留意させることがたいせつである。

 この学年で考えられる指導の目あては、次のようなものである。

(二) どう指導したらよいか (三) どんな点に注意したらよいか 四 読むことの学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

(二) どう指導したらよいか (三) どんな点に注意したらよいか 五 書くこと(作文)の学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 この学年は、取材・叙述両面にわたって、表現力の大いに伸びる時期である。各種の実用文を書く態度と技術、生活反省のための日記・作文を書く態度と技術を、ともによく指導する。なお、共同して何かを、編集するための学習も、また新しい目標である。

(二) どう指導したらよいか (三) どんな点に注意したらよいか 六 書くこと(書き方)の学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 この学年では、かな・漢字を正しく書くとともに、きれいに書くことに重点をおく。用具は、鉛筆・ペン、さらに必要に応じて毛筆を使うように指導する。

(二) どう指導したらよいか (三) どんな点に注意したらよいか  
第九節 第五学年の国語科学習指導はどう進めたらよいか

一 この学年の具体的指導目標は何か

(一) この学年の一般的な傾向は何か

 児童期としての特質が最もはっきり現れるのはこの学年である。たとえば、全身運動では、四年生までにできた、基礎的な発達の上に、さらに技巧化が加えられ、手先の運動では、正確度の発達がみられる。知的な発達においては、今までの機械的な記憶に対し、論理的に考える傾向が著しくなり、思考における自己中心性はほとんどなくなって、抽象作用の発達や推理作用の発達が目だってくる。

 また、語いは、量的に発達するばかりでなく、質的にも、飛躍的に進歩する。このことはたとえば、助詞の発達においてもみられることである。

 情緒の発達においては、恐怖や心配は、想像的、観念的、精神的なものに対していだくようになり、社会に反し、道徳にもとるようなものに対しては、怒りを感じるようになる。また、友だちに対して愛情の中心が向けられ、自然現象を対象に疑問を投げかけ、討論は社会的な事がらや、知的な経験に関して行われるようになる。男女によって興味の方向に著しい差異を示すのも五年生ごろからであって、たとえば、男児は好んで冒険物語を読み、女児は小説を好むような傾向を示す。

 社会的な面では、学級意識が濃厚になり、グループのリーダーのほかに、学級全体のリーダーを中心とするようになる。友だちの結びつきも尊敬・共鳴というような条件で、いっそう緊密になると同時に、教師、父母に対して批判的になり、合理的であり、公正であることを要求するようになる。

 以上のような特質は、児童期としての完成を意味しているといってもよく、六年生になって、さらにそれが充実することになる。

(二) この学年の具体的指導目標は何か

二 聞くことの学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 聞いたことをまとめる能力の充実をはかり、批判的に話が聞けるようにする。そのためには、次のような指導のねらいが考えられる。

(二) どう指導したらよいか (三) どんな点に注意したらよいか 三  話すことの学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 積極的な発表の能力を身につけ、五年生としての望ましい話し方をさせようとするためには、次のような指導の目あてが考えられる。

(二) どう指導したらよいか

 以上の各項にわたっての具体的な指導の方法については、いろいろのくふうがなされるはだが、次に、一般的な指導法について述べることにする。

(三) どんな点に注意したらよいか 四 読むことの学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 五年生としての望ましい読書能力をつけるためには、次のような指導目標が考えられる。

(二) どう指導したらよいか (三) どんな点に注意したらよいか 五 書くこと(作文)の学習指導をどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

(二) どう指導したらよいか (三) どんな点に注意したらよいか 六 書くこと(書き方)の学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

(二) どう指導したらよいか (三) どんな点に注意したらよいか  
第十節 第六学年の国語科学習指導はどう進めたらよいか

一 この学年の具体的指導目標は何か

(一) この学年の一般的な傾向は何か

 小学校最終の学年である六年生は、児童期における最高の発達段階に達するとともに、さらに、次の段階に達するきざしをはらんでいる。

 五年生におけるさまざまな力の発達が、あらゆる面で伸ばされ、六年生になると、児童期としてのまとまりができてくる。全身および手先の運動の発達、数意識の発達、思考作用、情緒および興味の発達傾向、社会生活、遊び、道徳性の全体的発達の傾向など、いずれも五年生での発達の方向の延長として考えられる。

 言語生活の面においても、語いの量的発達が著しく、語い量は、一年生のおよそ二・二倍になっている。質的方面では、助詞(係助詞・副助詞・接続助詞)の使用が、四年・五年に引き続いて発達する。文章の方面では、四年生のころから量的に伸びてきた傾向が、まとまりのある文章、中心あり統一ある文章となって現れてくる。

 言語についての意識もしだいに高まってくるが、生活の社会的なひろがりから、いろいろなことばに触れるために、なまはんかな知識や、よくこなれないことばをふりまわすような傾向も現れてくる。男女の性別による特性もしだいにはっきりとしてきて、それが、言語の上にも現れるようになる。外面的生活からしだいに内面的生活へ、集団生活から個人生活へという傾向も、この期の児童の言語生活にいろいろな影響をみせるようになる。

(二) この学年の具体的指導目標は何か

 この期においては、小学校における教育の完成期として、今までの国語学習で欠けているところを補う一方、学習の場をできるだけ広げ、言語活動を活発に行い、能力を個性に応じて伸ばし、国語への理解と関心を深めるようにする。さらに、有効な言語生活を通じて、社会生活を円満にしようとする習慣や態度や、技能を育てみがくようにすることがたいせつである。次に、目標を掲げよう。

二 聞くことの学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 六年生になると、聞く態度や能力は一応できあがったようにみえる。しかし、個々の児童について、よく調べると、その聞き方や、話の内容の受取方には、相当の開きのあることがわかる。

 ことに、いろいろな人の話を聞き、やや程度の高い話を聞く機会も多くなるので、話の内容を効果的に聞き取り、論理的、批判的な考え方を養うようにしなければならない。

(二) どう指導したらよいか (三) どんな点に注意したらよいか 三 話すことの学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 必要に応じて自分の考えや心持を、はっきりと話すことのできるような能力・態度を養い、自信をもたせるようにすることはいうまでもないが、そのためには、次のような点に目あてをおかなければならない。

(二) どう指導したらよいか (三) どんな点に注意したらよいか 四 読むことの学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 読む力の進むにつれて読書の範囲も広がってくる。そのために知識も豊かになり、語いも増大するが、その反面、なまはんかなことばをよく熟さないまま受け入れようとする傾向もみられるから、読む技術や能力を的確にのばすとともに、いろいろな本を読み、有効な読書生活の習慣をつくることに努力しなければならない。

(二) どう指導したらよいか (三) どんな点に注意したらよいか 五 書くこと(作文)の学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 生活が拡充し、読書の範囲も広くなって、いろいろな文に触れる結果、この学年では、表現上の一般的な傾向として、文が内容を離れてやや技術的類型的に陥り、生気を失いがちになる。そこで、文の表現技巧にあまり凝らないように、児童らしい、すなおな個性的表現を重んじるようにしなければならない。同時に、生活そのものを充実させ、そこから深味のある文が自然に生れてくるようにしむけることがたいせつである。

(二) どう指導したらよいか (三) どんな点に注意したらよいか 六 書くこと(書き方)の学習指導はどうしたらよいか

(一) 指導の目あてをどこにおくか

 文字を書く機会が広くなり、思想も豊かになるので書く分量も多くなる。そのために、ともすれば、速く書くことに追われ、文字が乱雑に流れやすい。特に男児においては、この傾向が多分に見られるから注意しなければならない。

 文字のもつ社会性を自覚させ、他人によくわかる文字を正しく、しかもできるだけきれいに書くように心がけさせるとともに、鉛筆・ペン・毛筆・鉄筆などの用具を、その目的と必要に応じ、効果的に使うことに慣れさせることもたいせつである。

(二) どう指導したらよいか (三) どんな点に注意したらよいか