住 居 目 録
  ま え が き
  総 目 標
    単元1 住居の機能
  単元2 住居の選定
  単元3 間取り
  単元4 室内装備と家具
一般家庭 単元5 住まいの清潔,家具・器物の手入れの興味
  単元6 住居と安全
  単元7 庭を生かすには
  単元8 社会共同生活における住宅問題
  指導結果の考査
 

  ま え が き

 今日の住居はどうなければならないか。この問題は,今日の住居の不足と収入や資材に乏しい現状から,いっそう徹底的に考えなければならない問題であるとともに,社会事情・経済事情の変化は,家庭生活・住生活の上に,更に健康的なもの,能率的なもの,快適なもの,より安全なもの,かつ容易にだれでも求められる家庭設備を要求している。それゆえ,自分たちの生活に興味と理解を持って実際生活を修得しようとしているこの時代の生徒に,住居の真の意義,すなわちどんな住居がよい家庭生活を助けるものであるか,その基礎的な知識とその実施の能力ならびに住宅改善への高い意図を吹きこむことでなければならない。ここに住居課程を時代の進歩の上から改めなければならない理由がある。

 

  総 目 標

1 家庭生活の根拠として住居がどんなに重要であるかということの認識

2 家庭生活の環境として住居をどんな考えで選ばなければならないかの理解と能力。

3 家族数に従っての住居の大きさの理解

4 今日の住居はいっそう能率的に,いっそう休息に適し,安全であるべきことの理解

5 家族に社会性を養うため,住居のととのえ方についての理解

6 住まいを美しく,たのしくする能力。

7 一般家具の知識と,よい買い物およびそれを配置する能力

8 住居の改造・修理のために家族が興味を持ち,かつそれを実行することのできる能力

9 住居一般に対する衛生知識(換気・日当たり・採光・給水・排水・防暑・防寒・防火,虫やねずみなどの防除・消毒等)

10 家具および器物の手入れに関する知識とその実施の能力

11 生活を快適にし,かつ食品を生産する菜園および庭の観賞

12 住宅に関する公共施設の利用と,今後更に公共施設を増強するために,研究の方向を定めることの認識

13 住宅改善に対する現今の住宅問題とその運動の理解

14 家族の健康・能率・教養を高めるために社会共同生活における住宅は,どうなければならないかについて,社会への関心を発達させる

 

  単元1 住居の機能
目  標
指   導   内   容
学   習   活   動
参  考
1 家族生活の
 根拠として住
 宅はどんなに
 たいせつであ
 るかの認識

 

 

2 住生活の向
 上充実への願
 望

 

 

 

3 今日の住居
 に対する新し
 い要求の認識

1 生活の場所としての住宅

 (1) 家族の健康進に役立つ住宅

 (2) 休息・慰安の場所としての住宅
    休息・睡眠・レクリエーション。

 

 (3) 家務処理の場所としての住居

  イ,調理 ロ,食事 ハ,清掃 ニ,裁縫

  ホ,子供の世話   ヘ,物品保管等

 (4) 家族個々の社会的発展を助成するための環境としての
  住居

  イ 勉強  ロ 社交

2 今日の住居

 (1) 清潔,せいとん (2) 便利 (3) 楽しい住まい

 (4) 安全      (5) 個人生活の尊重

1 あり・はち・つばめの巣について観察する。

2 原始人がどんな住居に住んでいたか,写真・絵画などを集め
 て研究する。

3 1日24時間を図に表わし,家の中でどんな仕事や事がらが
 行われているかを話し合う。

4 各室名をあげて,その使用方法と設備を記入し批判する。

5 更に自分のほしいへやや設備について話し合う。

6 各自の一つ一つのへやに何が欠けているか(場所と設備)表
 をつくる。

 

 

7 自分たちのいる現在の教室が便利で,居ごこちがよいかどう
 かを批判する。 

 
 

  単元2 住居の選定
目  標
指   導   内   容
学   習   活   動
参  考
1 家庭生活の
 環境としてど
 んな住居を選
 ばなければな
 らないかの理
 解と能力

 

2 将来生徒が
 必ず直面すべ
 き住居の貸借
 に開する知識

 

 

 

3 よい家の条
 件の認識

1 敷地の選定

 (1) 土地・土質・水質・方位・環境,交通通信の便,
  学校・買い物・病院等との関係

 (2) 敷地に対する住居の広さ
    ひとり当たりの坪数

2 住居費の問題

 (1) 借家・持家の利益・不利益

 (2) 借地・借家の契約手続

 (3) 土地・住居の購入法・登記法
    紹介所の紹介。

(4) 住居建築のための手続,設計者と入札,施工者

3 住居の成り立ち(建築)

 (1) 基礎  (2) 軸部  (3) 屋根  (4) 材料

4 じょうぶな住居……耐震,耐火

5 美しい家

1 自分の家の地勢・地質・交通・通信・環境等について調べる。

2 自分の家の空地と住居との広さについて実測し討議する。

 

 

3 自分の家が家族数に応じた広さを持っているかどうか,また
 自分の家の住まい方を実地調査する。

4 更に改善して居室に使える道がないかどうか考える。

5 借家・持家の利益,不利益について討議する。

6 借地・借家の契約,登記法を登記所等に行って調べる。

 

7 家の造模型,家を建築している実際を見学する。

 (1) 耐震  (2) 耐火  (3) 衛生

 
 

  単元3 間 取 り
目  標
指   導   内   容
学   習   活   動
参  考
 住生活を,
 いっそう快適
 にいっそう能
 率的に,いっ
 そう安全にす
 ることのでき
 る能力
1 普通住宅の設計
  必然的へやの必要と能率的へやの並べ方。
  道路との関係 敷地の広さと設計,衛生・融通性。
  都市の家,農村,漁村の家,これまでの家,これからの
 住まい。

2 居間の機能
  食事・仕事等に対して

  (1) 位置 (2) 広さ (3) 日当たり採光 (4) 通風
 (5) 換気 (6) 暖房 (7) 照明 (8) 家具

3 寝室の機能に対して

 (1) 位置 (2) 広さ (3) 照明 (4) 設備

4 食事室

  (1) 位置 (2) テーブル (3) 広さ (4) 茶だんす
 (5) 照明。

5 台所の目的に対して

 (1) 位置 (2) 広さ (3) 採光 (4) 必要な設備

  イ,材料置場ロ,流しハ,調理台

  ニ,火床ホ,食器戸だな

 (5) 作業台の高さ(6) 設備の配置(7) 給水・排水・虫
  やねずみなどの防除 (8) 台所の改造。

6 洗面所・浴室・せんたく場・便所の目的に対して
  (1) 清潔・能率・せいとん(2) 洗面台・洗面用具・タ
  オル掛け (3) 湯ぶねの種類――おのおのの長所短所 (4)
  せんたく場所,せんたく用具,干し場(5) 望ましい便所
  イ,改良便所・水洗便所 ロ,水洗装置の扱い方,そうじ
  のしかた

7 押し入れ
  (1) 目的(2) 造り付けの必要(3) 納める物品による
 広さ(4) 寝具用押し入れ(5) たんす・和服・洋服・せ
 んたく物入れ(6) 食器戸だな(7) そうじ用具 (8) 薬
 品戸だな,その他。

8 住まい方

 (1) 一間の家
    食事・睡眠・休息・社交・最少限度の広さ,必要な家具。

 (2) 二間の家
    用い方,必要な家具,望ましい設備。

1 各自平面図を書き,衛生・保全・便利等の点について満足か
 どうかを考察。

2 各自が住んでいる都市または地方の住居の間取りについて批
 判。あすの住まいはどうなければならないかを考察する。

3 15坪の住宅,平面図を集め,比較研究する。

4 よく整備された居(い)間,能率的台所,せいとんされた洗面
 所の写真を見,または見学する。

5 造り付けの家具のある住居の利益を話し合う。

6 各自の所有物品を調査し,そのしまい場所を自分の住居の中
 に見いだす。

7 最新式のせんたく器具をデパートまたは専門店で調査する。

8 デパートに行き,台所の見本を見て研究する。

9 最も安い費用で台所を明かるく便利に,かつ美しい色を見せ
 るようにするには,どうしたらよいか,そのくふうについて話
 し合う。

10 古い台所を改造した家について見せてもらい,なぜ改造した
 か託してもらう。

11 学校の調理室で能率的な配置および美的な配置について実習
 する。

12 自分の家または学校の便所について,実際に見てこれをどん
 なに改良したらよいか討議する。

13 水洗便所の構造と水洗装置を実際に見,使用してみて取り扱
 い上の注意について話し合う。

14 品物の用途,形,使用能率上から,どのようにこれを整理保
 管したらよいか,身のまわりの衣類,学用品台所道具などにつ
 いて,よいしまい方を研究する。

15 よくできた押し入れ・たんす・食器具だな・そうじ用具入れ
 などの写真を見,または実際を見学する。

16 一室生活の見本をつくる。

17 二室生活の見本をつくって,一室生活の場合とどのようにち
 がうか研究する。 

 
 

  単元4 室内装備と家具
目  標
指   導   内   容
学   習   活   動
参  考
1 住居を魅力
 あるよらにす
 る能力

 

 

 

 

 

 

 

2 家具の一般
 知識

 

 

 

3 家具の正し
 い買い方ので
 きる能力

1 装備の目的

2 室内装飾上の四つの要素
   線一形

   色

   明暗

   地質

  おのおのの性質と感動性 
3 室内を美しくする方法
  統一・変化・平衡・調和・単純美等
  壁(建具を含む)と床と天井と家具の関係

4 客室の装備

5 家具の機能
   材料費−−木材・竹・とう,金属

6 家具の意匠

 (1) テーブル・いす・たんす・鏡台などの意匠・寸法・価
  格

 (2) 家具選択の条件
    自分の出しうる価格・実用性・じょうぶさ・手入れの
   しやすいもの,美しいこと

 (3) 家具の置き方の原則

7 装飾・附属品
  時計・スタンド・掛け物・額・写真・花びん・ラジオ
 等の配置 

1 美術全集・画帳・雑誌で鑑賞し,美の要素が何であるかを決
 定する。

2 美術・絵画の展覧会に行き,美の要素を研究する。

3 よく調和する色を生徒の写真帳に集める。

4 各時代の建築の写真または家具・装飾品などの写真や実際を
 見て,線や形の美しさを研究する。

 

 

 

5 よく整備された家に行き見せてもらう。

6 生け花の鑑賞をする。

7 「理想的な私の家」にいう題でへやの装備の絵本をつくる(収
 入に応じて考えること)

8 いす・テーブルの種類,並べ方,取り扱いを学校の応接室・
 家事室で実習する。

9 家具その他の装備品につきデパートの家具部を見学する。

10 装飾附属品(額・花・時計・人形・スタンド・写真・本・ラ
 ジオ)の並べ方を練習。 

 
 

  単元5 住まいの清潔
目  標
指   導   内   容
学   習   活   動
参  考
1 住宅および
 家具器物の手
 入れの興味

 

 

2 住居の衛生
 に関する知識

 

 

 

 

 

 

3 改造修理に
 対する協力の
 態度と技能

4 手入れの行
 き届いた住ま
 い方の価値認
 識

1 安全にしかも能率的に住まいを美しくする方法
  清掃に必要な設備と用具
   ほうき・はたき・ちりとり・ぞうきん・バケツ・ゴ
   ム・スポンジ・はけ・棒ぞうきん・電気そうじ器・そ
   うじ用具入れ

 

2 清掃の準備
  順序・操作・せいとん・日常そうじ・週そうじ・月そう
 じ・季節そうじ
  消毒 便所・下水・畳
  防虫 ねずみ・はえ・蚊・のみ・白ありの駆除法,金網,
  家具・器物の取り扱い方および手入れ法 ガラス・陶器
 漆器・金属

 

 

 

 

3 改造修理
  工芸・工作・座ぶとん・クッション・いすカバー,
 塗りかえ,張り替え,テーブルセンターのつくり方 

1 どうしたらおのおのの住居がきれいに魅力あるようにするこ
 とができるかを研究する。

2 最も能率的な,そうじの順序・方法について話し合う。

 

3 いつもへやの中を,きれいに住みごこちよくするには,家族
 の人たちがどういうことに注意しなければならぬかを話し合う。

4 清潔にせいとんされたへやがどんなに住みごこちよいか教室
 で鑑賞する。

実習

5 床そうじ
  板の間・よせ木板・リノリウム・タイル・たゝき・畳・ペン
 キ・敷物

6 木部のそうじ法
  つや出し・ニス塗り

7 ガラス器・陶器・漆器の手入れ法を実地研究する。

8 あき箱で工作する。
  便利な整理本箱,趣味のスタンド。

9 住まいの修理箇所を見つけて,修理をする。

10 修理にかかる費用の調査をする。

 
 

  単元6 住居と安全
目  標
指   導   内   容
学   習   活   動
参  考
 住居が休息に
適し,かつ快適
で,能率的であ
るためには,安
全ということが
最も重要である
ことの認識
1 住居の目的
  安全の意義

2 危険なことを避けること

 (1) 階段のつくり方
    ふみづら・仕上げの寸法・すべりどめ・幼児への注意

 (2) 清掃上の注意
    廊下のみがきすぎ。

 (3) 台所の設備および作業上の注意
    ほうちょうの置き場所,なべのとっての方向,
   油を床に落さぬこと など。

 (4) ふろの煙突
    ふろがま(鉄製)で火傷をしないこと。

 (5) 揮発性の油,薬品の保管場所

 (6) 火の用心
    火ばち・こたつ・ストーブ・台所・ふろがまの周囲を
   耐火材料にすること。

3 戸締まりの巌重

1 安全ということがいかにたいせつであるか,日常生活の能率
 にどんなに影響するものであるか話し合う。

2 自分の家について安全性の点で満足であるかないか調べる。
 もし不満足ならそれをいかに改善するか,方法とその費用を計
 算する。

3 家の階段,学校の階段,デパートの階段,駅の階段等実地に
 経験し,見聞したことを話し合い,よい階段の持つ条件を調べる。

4 台所はどんなに安全に設備されなければならないか,学校の
 食物調理室またはさし絵を使ってよい手本と悪い手本を比較す
 る。 

 
 

  単元7 庭を生かすには
目  標
指   導   内   容
学   習   活   動
参  考
1 生活を楽し
 くするための
 庭

 

 

2 あき地利用
 の能力

1 あき地の美化とその利用
  防火・防暑および観賞
  花壇――花の種類
      樹木の種類

 

2 家庭菜園に適する野菜

 (1) 果樹 (2) 子供の遊び場 (3) 近隣との調和

 (4) かきね

1 西洋庭園・日本庭園の写真を集めて差異を研究する。

2 わが家と庭との略図を描き,庭木を入れ,その種類により防
 火・防暑の役目をなすか研究させる。

3 花暦の一覧表の作製

4 家庭菜園の年中行事表をつくる。

5 肥料のつくり方を実習する。

6 樹木の手入れ法を調べる。

7 子供の遊び場の設計実習

8 公園に行き,花・樹木を観賞し,その名を覚える。

 
 

  単元8 社会共同生活における住宅問題
目  標
指   導   内   容
学   習   活   動
参  考
1 住宅改善に
 対する今日の
 住宅問題の理
 解と,その運
 動への協力の
 態度

 

 

 

 

2 社会共同生
 活において,
 家族生活の向
 上という点か
 ら住宅問題に
 関し社会関心
 を発達させる

1 政府または府県の住宅計画

 (1) 余裕住宅

 (2) 協力のしかた

 (3) 都市計画

2 健康と住宅問題
  給水設備の完全利用
  下水改善の要望促進
  そうじ,ごみの除去を滞りなくするよう要望すること
  駆虫に対する近隣の協力

3 道路と日常生活

4 共同住宅
  アパート

1 地域における都市計画について話し合う。

2 あなたの家と私の家とはどのような関係におかれなければな
 らないか話し合う。

3 一つの家に別々の家族が住む場合の心がけについて話し合う。

 

 

 

 

4 よい道路と悪い道路の利益・不利益についての話し合い。

5 地方の清掃係の入々に来て話をしてもらい,自分たちのすべ
 き責任について話し合う。

6 よいアパートを見せてもらい,そこに住んでいる人からいろ
 いろな話を聞く。 

 
 

      指 導 結 果 の 考 査
1 理論的方面の理解の考査は,生徒平常の学習状態やノート・論文・報告書
 などによって総合的考査法あるいは完成法・再生法・真偽法・判定法・排列
 法・組み合わせ法・分類法等の分析的方法によって考査する。

2 技術的方面の考査は排列法・図解法・記述尺度法・品等法等の分析的方法
 によって考査する。

3 生徒のおこなった家庭実習の結果を考査する。

 
 

 学習指導要領 家庭科編

 高等学校用

Approved by Ministry of Education

 (Date Aug. 25. 1949)

昭和24年8月25日印刷同日飜刻印刷

昭和24年8月29日発行同日飜刻発行

(昭和24年8月29日 文部省検査済)

定価41円40銭

(取引高税込)

著作権所有      文    部    省

著作兼発行者

          東京都千代田区神田岩本町三番地

飜刻発行者     中等学校教科書株式会社

          代表者 阿 部 真 之 助

          東京都文京区久堅町一○八番地

印 刷 者     共同印刷株式会社

          代表者 大 橋 芳 雄

 

        東京都千代田区神田岩本町三番地

発 行 所   中等学校教科書株式会社