第8節 

 

第1款目

 

外国語を通じて,言語や文化に対する理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,情報や考えなどを的確に理解したり適切に伝えたりするコミュニケーション能力を養う。

 

第2款各科

 

第1コミュニケーション英語基礎

英語を通じて,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するとともに,聞くこと,話すこと,読むこと,書くことなどの基礎的な能力を養う。

(1) 1の目標に基づき,中学校学習指導要領第2章第9節の第2の2の(1)に示す言語活動を参照しつつ,適切な言語活動を英語で行う。

(2) (1)に示す言語活動を効果的に行うために,それぞれの生徒の中学校における学習内容の定着の程度等を踏まえた上で,中学校学習指導要領第2章第9節の第2の2の(2)のアに示す事項を参照しつつ,適切に指導するよう配慮するものとする。

内容の取扱い

中学校における学習との接続と「コミュニケーション英語T」における学習への円滑な移行のため,主に身近な場面における言語活動を経験させながら,中学校における基礎的な学習内容を整理して指導し定着を図るものとする。

 

第2コミュニケーション英語T

英語を通じて,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するとともに,情報や考えなどを的確に理解したり適切に伝えたりする基礎的な能力を養う。

(1) 生徒が情報や考えなどを理解したり伝えたりすることを実践するように具体的な言語の使用場面を設定して,次のような言語活動を英語で行う。

事物に関する紹介や対話などを聞いて,情報や考えなどを理解したり,概要や要点をとらえたりする。

説明や物語などを読んで,情報や考えなどを理解したり,概要や要点をとらえたりする。また,聞き手に伝わるように音読する。

聞いたり読んだりしたこと,学んだことや経験したことに基づき,情報や考えなどについて,話し合ったり意見の交換をしたりする。

聞いたり読んだりしたこと,学んだことや経験したことに基づき,情報や考えなどについて,簡潔に書く。

(2) (1)に示す言語活動を効果的に行うために,次のような事項について指導するよう配慮するものとする。

リズムやイントネーションなどの英語の音声的な特徴,話す速度,声の大きさなどに注意しながら聞いたり話したりすること。

内容の要点を示す語句や文,つながりを示す語句などに注意しながら読んだり書いたりすること。

 

事実と意見などを区別して,理解したり伝えたりすること。

内容の取扱い

(1) 中学校におけるコミュニケーション能力の基礎を養うための総合的な指導を踏まえ,聞いたことや読んだことを踏まえた上で話したり書いたりする言語活動を適切に取り入れながら,四つの領域の言語活動を有機的に関連付けつつ総合的に指導するものとする。

(2) 生徒の実態に応じて,多様な場面における言語活動を経験させながら,中学校や高等学校における学習内容を繰り返して指導し定着を図るよう配慮するものとする。

 

第3コミュニケーション英語U

英語を通じて,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するとともに,情報や考えなどを的確に理解したり適切に伝えたりする能力を伸ばす。

(1) 生徒が情報や考えなどを理解したり伝えたりすることを実践するように具体的な言語の使用場面を設定して,次のような言語活動を英語で行う。

事物に関する紹介や報告,対話や討論などを聞いて,情報や考えなどを理解したり,概要や要点をとらえたりする。

説明,評論,物語,随筆などについて,速読したり精読したりするなど目的に応じた読み方をする。また,聞き手に伝わるように音読や暗唱を行う。

聞いたり読んだりしたこと,学んだことや経験したことに基づき,情報や考えなどについて,話し合うなどして結論をまとめる。

聞いたり読んだりしたこと,学んだことや経験したことに基づき,情報や考えなどについて,まとまりのある文章を書く。

(2) (1)に示す言語活動を効果的に行うために,次のような事項について指導するよう配慮するものとする。

英語の音声的な特徴や内容の展開などに注意しながら聞いたり話したりすること。

論点や根拠などを明確にするとともに,文章の構成や図表との関連などを考えながら読んだり書いたりすること。

未知の語の意味を推測したり背景となる知識を活用したりしながら聞いたり読んだりすること。

説明や描写の表現を工夫して相手に効果的に伝わるように話したり書いたりすること。

内容の取扱い

「コミュニケーション英語T」の3と同様に取り扱うものとする。

 

第4コミュニケーション英語V

英語を通じて,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するとともに,情報や考えなどを的確に理解したり適切に伝えたりする能力を更に伸ばし,社会生活において活用できるようにする。

(1) 1の目標に基づき,「コミュニケーション英語U」の2の(1)に示す言語活動を更に発展させて行う。

(2) (1)に示す言語活動を行うに当たっては,「コミュニケーション英語U」の2の(2)同様に配慮するものとする。

内容の取扱い

「コミュニケーション英語T」の3と同様に取り扱うものとする。

 

第5英語表現T

 

英語を通じて,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するとともに,事実や意見などを多様な観点から考察し,論理の展開や表現の方法を工夫しながら伝える能力を養う。

(1) 生徒が情報や考えなどを理解したり伝えたりすることを実践するように具体的な言語の使用場面を設定して,次のような言語活動を英語で行う。

与えられた話題について,即興で話す。また,聞き手や目的に応じて簡潔に話す。

読み手や目的に応じて,簡潔に書く。

聞いたり読んだりしたこと,学んだことや経験したことに基づき,情報や考えなどをまとめ,発表する。

(2) (1)に示す言語活動を効果的に行うために,次のような事項について指導するよう配慮するものとする。

リズムやイントネーションなどの英語の音声的な特徴,話す速度,声の大きさなどに注意しながら話すこと。

内容の要点を示す語句や文,つながりを示す語句などに注意しながら書くこと。また,書いた内容を読み返すこと。

発表の仕方や発表のために必要な表現などを学習し,実際に活用すること。

聞いたり読んだりした内容について,そこに示されている意見を他の意見と比較して共通点や相違点を整理したり,自分の考えをまとめたりすること。

内容の取扱い

(1) 中学校におけるコミュニケーション能力の基礎を養うための総合的な指導を踏まえ,話したり書いたりする言語活動を中心に,情報や考えなどを伝える能力の向上を図るよう指導するものとする。

(2) 聞くこと及び読むこととも有機的に関連付けた活動を行うことにより,話すこと及び書くことの指導の効果を高めるよう工夫するものとする。

(3) 生徒の実態に応じて,多様な場面における言語活動を経験させながら,中学校や高等学校における学習内容を繰り返して指導し定着を図るよう配慮するものとする。

 

第6英語表現U

英語を通じて,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するとともに,事実や意見などを多様な観点から考察し,論理の展開や表現の方法を工夫しながら伝える能力を伸ばす。

(1) 生徒が情報や考えなどを理解したり伝えたりすることを実践するように具体的な言語の使用場面を設定して,次のような言語活動を英語で行う。

与えられた条件に合わせて,即興で話す。また,伝えたい内容を整理して論理的に話す。

主題を決め,様々な種類の文章を書く。

聞いたり読んだりしたこと,学んだことや経験したことに基づき,情報や考えなどをまとめ,発表する。また,発表されたものを聞いて,質問したり意見を述べたりする。

多様な考え方ができる話題について,立場を決めて意見をまとめ,相手を説得するために意見を述べ合う。

(2) (1)に示す言語活動を効果的に行うために,次のような事項について指導するよう配慮するものとする。

英語の音声的な特徴や内容の展開などに注意しながら話すこと。

論点や根拠などを明確にするとともに,文章の構成や図表との関連,表現の工夫などを考えながら書くこと。また,書いた内容を読み返して推敲(すいこう)すること。

 

発表の仕方や討論のルール,それらの活動に必要な表現などを学習し,実際に活用すること。

相手の立場や考えを尊重し,互いの発言を検討して自分の考えを広げるとともに,課題の解決に向けて考えを生かし合うこと。

内容の取扱い

「英語表現T」の3と同様に取り扱うものとする。

 

第7英語会話

英語を通じて,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するとともに,身近な話題について会話する能力を養う。

(1) 生徒が情報や考えなどを理解したり伝えたりすることを実践するように具体的な言語の使用場面を設定して,次のような言語活動を英語で行う。

相手の話を聞いて理解するとともに,場面や目的に応じて適切に応答する。

関心のあることについて相手に質問したり,相手の質問に答えたりする。

聞いたり読んだりしたこと,学んだことや経験したことに基づき,情報や考えなどを場面や目的に応じて適切に伝える。

海外での生活に必要な基本的な表現を使って,会話する。

(2) (1)に示す言語活動を効果的に行うために,次のような事項について指導するよう配慮するものとする。

リズムやイントネーションなどの英語の音声的な特徴,話す速度,声の大きさなどに注意しながら聞いたり話したりすること。

繰り返しを求めたり,言い換えたりするときなどに必要となる表現を活用すること。

ジェスチャーなどの非言語的なコミュニケーション手段の役割を理解し,場面や目的に応じて適切に用いること。

内容の取扱い

(1) 中学校におけるコミュニケーション能力の基礎を養うための総合的な指導を踏まえ,実際の会話に即した言語活動を多く取り入れながら,聞いたり話したりする能力の向上を図るよ

う指導するものとする。

(2) 読むこと及び書くこととも有機的に関連付けた活動を行うことにより,聞くこと及び話すことの指導の効果を高めるよう工夫するものとする。

(3) 生徒の実態に応じて,多様な場面における言語活動を経験させながら,中学校や高等学校における学習内容を繰り返して指導し定着を図るよう配慮するものとする。

 

第8その他の外国語に関する科目

その他の外国語に関する科目については,第1から第7まで及び第3款に示す英語に関する各科目の目標及び内容等に準じて行うものとする。

 

第3款 英語に関する各科目に共通する内容等

 

英語に関する各科目の2の(1)に示す言語活動を行うに当たっては,例えば,次に示すような言語の使用場面や言語の働きの中から,各科目の目標を達成するのにふさわしいものを適宜取り上げ,有機的に組み合わせて活用する。

[言語の使用場面の例]

特有の表現がよく使われる場面:

                        食事

 

電話での応答       手紙や電子メールのやりとなど

生徒の身近な暮らしや社会での暮らしにかかわる場面:

家庭での生活       校での学習や活動地域での活動

職場での活動など

多様な手段を通じて情報などを得る場面:

本,新聞,雑誌などを読むこテレビや映画などを観(み)ること

情報通信ネットワークを活用し情報を得ること など

[言語の働きの例]

コミュニケーションを円滑にする:

相づちを打つ       き直す      繰り返す

言い換える       題を発展させる話題を変える など

気持ちを伝える:

褒める                  感謝する

                 心配する など

情報を伝える:

説明す       告する      描写する

理由を述べる       約する      訂正する など

考えや意図を伝える:

申し出       成する      反対する

主張す       論する      仮定する など

相手の行動を促す:

依頼す                  許可する

助言す       令する      注意を引く など

英語に関する各科目の2の(1)に示す言語活動を行うに当たっては,中学校学習指導要領第29節第2の(3)の中から,それぞれの科目の目標を達成するのにわしいもの適宜用いて行わせる。その際,「コミュニケーション英語T」においては,言語活動と効果的に関連付けながら,ウに掲げるすべての事項を適切に取り扱うものとする。

語,連語及び慣用表現

()

「コミュニケーション英語T」にあっては,中学校で学習した語に400語程度の新語を加えた語

「コミュニケーション英語U」にあっては,aに示す語に700語程度の新語を加えた語

「コミュニケーション英語V」にあっては,bに示す語に700語程度の新語を加えた語

「コミュニケーション英語基礎」,「英語表現T」,「英語表現U」及び「英語会話」にあっては,生徒の学習負担を踏まえた適切な語

() 連語及び慣用表現のうち,運用度の高いもの

文構造のうち,運用度の高いもの

文法事項

() 不定詞の用法

() 関係代名詞の用法

() 関係副詞の用法

() 助動詞の用法

() 代名詞のうち,itが名詞用法の句及び節を指すもの

() 動詞の時制など

() 仮定法

() 分詞構文

2に示す言語材料を用いるに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

現代の標準的な英語によること。ただし,様々な英語が国際的に広くコミュニケーションの手段として使われている実態にも配慮すること。

文法については,コミュニケーションを支えるものであることを踏まえ,言語活動と効果的に関連付けて指導すること。

コミュニケーションを行うために必要となる語句や文構造,文法事項などの取扱いについては,用語や用法の区別などの指導が中心とならないよう配慮し,実際に活用できるよう指導すること。

英語に関する各科目については,その特質にかんがみ,生徒が英語に触れる機会を充実するとともに,授業を実際のコミュニケーションの場面とするため,授業は英語で行うことを基本とする。その際,生徒の理解の程度に応じた英語を用いるよう十分配慮するものとする。

 

第4款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

 

指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 「コミュニケーション英語U」は「コミュニケーション英語T」を履修した後に,「コミュニケーション英語V」は「コミュニケーション英語U」を履修した後に,「英語表現U」は「英語表現T」を履修した後に履修させることを原則とすること。

(2) 「コミュニケーション英語基礎」を履修させる場合「コミュニケーション英語T」は「コミュニケーション英語基礎」を履修した後に履修させることを原則とすること。

内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。

(1) 教材については,外国語を通じてコミュニケーション能力を総合的に育成するため,各科目の目標に応じ,実際の言語の使用場面や言語の働きに十分配慮したものを取り上げるものとすること。その際,その外国語を日常使用している人々を中心とする世界の人々及び日本人の日常生活,風俗習慣,物語,地理,歴史,伝統文化や自然科学などに関するものの中から,生徒の発達の段階及び興味・関心に即して適切な題材を変化をもたせて取り上げるものとし,次の観点に留意する必要があること。

多様なものの見方や考え方を理解し,公正な判断力を養い豊かな心情を育てるのに役立つこと。

外国や我が国の生活や文化についての理解を深めるとともに,言語や文化に対する関心を高め,これらを尊重する態度を育てるのに役立つこと。

広い視野から国際理解を深め,国際社会に生きる日本人としての自覚を高めるとともに,国際協調の精神を養うのに役立つこと。

人間,社会,自然などについての考えを深めるのに役立つこと。

(2) 音声指導の補助として,発音表記を用いて指導することができること。

(3) 辞書の活用の指導などを通じ,生涯にわたって,自ら外国語を学び,使おうとする積極的な態度を育てるようにすること。

(4) 各科目の指導に当たっては,指導方法や指導体制を工夫し,ペア・ワーク,グループ・ワークなどを適宜取り入れたり,視聴覚教材やコンピュータ,情報通信ネットワークなどを適宜指導に生かしたりすること。また,ネイティブ・スピーカーなどの協力を得て行うティーム・ティーチングなどの授業を積極的に取り入れ,生徒のコミュニケーション能力を育成するとともに,国際理解を深めるようにすること。