「プロジェクト研究」とは、行政上の政策課題について、本研究所として取り組むべき研究課題を設定し、広く所内外の研究者の参加を得てプロジェクトチームを組織して行う研究活動です。研究期間は概ね2〜5年間で、平成23年度開始のプロジェクト研究については、課題名の横に【新】と表示しております。
なお、現在ホームページ上に研究成果報告書を公表しているものは、「研究成果報告書」をクリックすると御覧いただけます。
1.教育行財政
(1)初等中等教育に係る教育財政等に関する調査研究
- 本研究は、教育への資源投入の配分とそれによって生じる教育成果との因果関係につい
て、基礎となる実証的研究を行う。
- 平成23 年度は、教育投入資源が全国学力・学習状況調査の結果に与えた効果、教育投
入資源が学力以外で捉えられる教育成果に与えた効果、地方公共団体間における教育資源
配分の多様性・変動要因の解明について、それぞれ多変量解析作業を行うとともに、関連
するデータ収集や聞き取り調査などを行う。
- 本研究は、学級規模が児童生徒の学力の発達的変化に与える影響や、学級規模が教師の
授業構成や指導方法等に与える影響について検討する。
- 平成23 年度は、学級規模と学力の発達的変化について、データや先行研究の収集を行
うとともに、学校への質問紙調査や訪問調査などを行う。また、学級規模の違いが教員の
授業設計、指導計画作成、授業展開等をどのように規定しているかについて、教員への聞
き取り調査や質問紙調査を行う。
- 大学の財務運営について先進的な取組を進める英国の状況を分析するとともに、我が国
の国立大学の財務運営の実情等についての実践的な研究を行い、国立大学の財務運営の在
り方の指針となる考え方やモデル等を提示する。
- 平成23 年度は、英国資料の翻訳及び英国の大学の財務運営実態を分析するとともに、
国立大学の財務運営の実情に関する事例研究や金融機関実務者等からのヒアリングを実施
し、研究成果をとりまとめる。
2.初等中等教育
(1)「新しい学び、新しい学校」への対応に関する調査研究
- 今後求められる資質や能力を効果的に育成する観点から開発事例の分析や外国調査等を実施することを通じ、将来の教育課程の編
成に寄与する選択肢や基礎的な資料を得る。
- 平成23 年度は、①今後求められる資質や能力を効果的に育成する教育課程の在り方を
探る視点から近年の研究開発学校の関係事例を分析・整理、②社会の変化への対応の視点
を踏まえつつ諸外国の教育課程改善の状況を把握・分析、③協力校における言語力育成の
計画・実践、を行う。
② 「新しい学び、新しい学校」を目指した取組に関する調査研究【新】
- 以下の領域の中で、研究所内外から具体的な研究課題、研究者、研究手法を公募の上、実施する。
・同一学校種間または異なる学校種間の連携・接続による効果や課題に関する内容
・ボランティア等の活用をあらかじめ組み込んだ授業形態や、学習内容に応じて通学・通信など異なる学習形態を採用することも含め、多様な学習・指導形態がもたらす効果や課題に関する内容
・地域住民の学校運営への参画や学校支援や、隣接市町村による教育事務支援等がもたらす効果や課題に関する内容
- 本研究は、未来の社会を展望することにより、将来の社会変動や要請に対応しうる今後
の学校教育の基本的な方向性について検討を行う。
- 平成23 年度は、将来予測に関わる文献・データ整理を行うとともに、高校生を対象と
したウェブ調査や有識者からの意見聴取、研究会委員からの問題提起・議論、先導的な実践を行っている施設・組織の訪問調査を行い、研究成果をとりまとめる。
(2)教育内容等における個別の課題に関する調査研究
① 学校における持続可能な発展のための教育(ESD)に関する研究
- 学校における持続可能な発展のための教育の定着と充実に向けて、カリキュラムや教材
の在り方、指導方法の在り方、評価の視点などを明らかにする。
- 平成23 年度は、① ESD の理論的枠組みについての検討、② ESD を学校教育に導入す
る方法に関する実践的研究、③ ESD に関する外国の情報の収集及び資料作成、を行って最終報告書を作成し、研究を通じて得られた知見から今後の教育課程への示唆を得る。
② 中学校・高等学校における理系進路選択に関する研究
- 教育課程研究センター基礎研究部 総括研究官 後藤顕一
- 生徒の理系職業についての認識と進路選択との関連などについて調査し、理系進路選択
の観点から適切な教育上の取組を検討する。同時に、有効性の高い取組を好事例としてま
とめる。また、TIMSS2011 調査と関連させた付帯調査を行い、日本の中学2年生の将来
の進路に関する意識状況を国際的な理数学力水準に照らして分析する。
- 平成23 年度は、前年度に開発された調査票を使用し、中学校及び高等学校を対象とし
た全国実態調査を実施して結果をとりまとめる。また、当該調査の対象校から選定した学校について訪問調査を行う。さらに、研究協力校における事例研究を引き続き実施するとともに、TIMSS2011 調査の付帯調査データのコード化・集計を行う。
③ 知識・技能等を活用する力を育てる取組に関する調査研究【新】
- 以下の領域の中で、研究所内外から具体的な研究課題、研究者、研究手法を公募の上、実施予定。
・知識・技能等を活用する力を育てる取組の実態把握に関する内容
・学力等の実情に関する過去の調査結果の再分析に関する内容
3.教職員
- 教員養成の実態把握及び好事例についての調査研究を行い、教職課程の質保証に関する
基礎的な知見を得る。また、理科及び算数・数学、体育について教員に必要とされる指導力について検討し、大学の教職課程におけるカリキュラムの研究を行う。
- 平成23 年度は、前年度に教職課程認定大学を対象として実施した質問紙調査の分析を
行うとともに、大学における好適かつ先進的な事例についてヒアリング調査等を実施し、それぞれ成果をとりまとめる。また、教職課程で教授することが期待される内容や方法、教職課程上の各科目群における当該内容の位置付け等について、理科に関して引き続き検討して報告書をとりまとめるとともに、算数・数学及び体育についても新たに検討を行う。
① Co-teachingスタッフや外部人材を生かした学校組織開発と教職員組織の在り方に関する総合的研究
- 本研究は、学校組織及び教職員について多角的な分析を行い、多様な教職員集団等による学校組織開発の在り方の検討を行う。
- 平成23 年度は、①学校組織の重層化の広がりに関する調査の実施・分析、②学校支援地域本部事業により学校社会に生じた変化や効果の分析、③教員の業務負担や職務実態の分析、④学校の教職員構成に関する国際比較、⑤各学校と外部セクターとの連携協力の実態や校長等の意識状況の分析、⑥教職員需給の都道府県等別動向の分析、⑦学校の小規模化や学校事務の共同化等に関する質問紙調査や事例研究、を行う。
4.高等教育(初等中等教育の内容を含む)
(1)グローバル化時代の人材育成の在り方に関する調査研究
① 高等学校・大学におけるグローバル人材の育成に関する調査研究
- 本研究は、我が国の大学がグローバル化に対応した人材育成を行うためにどのように「国際化」を推進していくか検討するととも
に、様々な大学評価活動で活用しうる指標についての調査研究を行う。また、グローバル化の進展を展望した高等学校における取り
組みの可能性等について検討する。
- 平成23 年度は、前年度に引き続き、国内の大学の国際化に関するヒアリングや企業へのインタビュー調査を行うとともに、海外の大学の国際化戦略等について文献調査を実施する。また、高等学校におけるグローバル人材を目指す取組に関する調査研究を行う。
② 学習成果アセスメントのインパクトに関する総合的研究
- 学習成果アセスメントの導入、ないしそれをめぐる議論が、大学や大学の質保証システ
ムにどのような影響を及ぼすかを明らかにする。
- 平成23 年度は、各国調査をさらに推進し、その情報を分析・集積する中で大学の質保証システムの類型についてさらなる検討を行う。そして、当該システムの在り方によって学習成果アセスメントのいかなる役割に重点が置かれ、その導入や導入をめぐる議論を通して大学の質保証システムがどのように変容してきたかを明らかにし、研究の総括を行う。
5.生涯学習
(1)生涯を通じた学習機会の在り方に関する調査研究
① 実践的能力形成のための多様な学習の評価・認証等に関する調査研究【新】
- 実践的な職業能力の育成を目的とした多様な学習成果を、共通の枠組みで評価・認証するシステムの導入及び学習ユニット積上げ方式の活用について検討するための基礎資料を得る。
- 平成23 年度は、先行研究及び海外の動向等についての文献調査を行うとともに、大学、専門学校、民間教育事業者、公共職業訓練機関、企業、学習者等を対象としたインタビュー調査及び予備的な質問紙調査を実施する。
② 生涯学習の学習需要の実態とその長期的変化に関する調査研究
- 平成3年及び平成13 年に本研究所で実施した調査研究を踏まえつつ、高齢者の社会参加、IT 利用、職業生活、家庭教育に焦点を絞った学習ニーズ調査を行い、その長期的変化を明らかにする。
- 平成23 年度は、前年度に実施した予備調査の結果を踏まえ、国際成人力調査(PIAAC)の内容との照合を図りながら、上記の4つの課題についてインターネットを用いた調査を実施し、調査結果の検討を行う。